◇ストレスは毎日解消する

 毎日少しずつ掃除をしていれば、大掃除は必要ない。「あとでまとめて掃除すればいいや」と考えて放っておくと、かえって大変になってしまう。

 ストレスも同じだ。毎日少しずつ溜まっていく日々のストレスは、その日のうちに発散、解消しておくのが正解だ。

 ドイツのブラウンシュバイク工科大学のセービン・ゾンネンタークは、公共サービス組織で働く147名に、ストレスについての記録を日記形式でつけてもらった。その結果、翌日の朝にどれだけやる気が戻っているか、どれくらい積極的に仕事に出かけられるかを決めるのは「前日のうちにストレス解消をしているか否か」であることがわかった。ストレスをうまく発散できれば、翌日、新たな気分で仕事に取り組めるのだ。

 小さなストレスであればすぐに発散できる。ところが、小さなストレスが蓄積されていくと、簡単には発散できなくなる。ストレスを溜めてから発散するのではなく、手軽にできるストレス解消法を持ち、こまめに自分をケアしよう。

◆いらない感情を手放す「心のお稽古」
◇プロセス・シミュレーションを使いこなす

 自分の「望む結果」を手にする方法として「イメージ・トレーニング」を思い浮かべる人もいるだろう。一般にイメージ・トレーニングというと、望む結果を想像すること、つまり「結果シミュレーション」を指す。ところが、望む結果を手にするには「プロセス・シミュレーション」のほうが効果的である。

 ゴルフで言うと、ボールがカップインして自分が大喜びしている場面だけをイメージするのが「結果シミュレーション」。一方、ボールを見つめながら、風に揺れる周囲の木々まで鮮明に頭に思い浮かべ、ゆっくりとスイングし、打ったボールの軌道を目で追う。そしてボールが地面に落ちて転がっていくところをイメージし、最後にカップインする――ここまで細かくイメージするのが「プロセス・シミュレーション」だ。