◆快眠のための昼の過ごし方
◇ネガティブなことも否定しない

 生きていれば嫌なこともあるし、やる気が起きないときもある。そんなときに意識したいのが、ポジティブな声かけだ。思考は言葉で作られる。それはつまり、言葉を変えれば思考も変えられるということだ。

 しかし、実際に毎日ポジティブでい続けるのは難しい。SNSやテレビからのネガティブなニュース、上司の愚痴や家族への不満など、ネガティブな話題は日常生活にあふれている。ネガティブな言葉を受け続けていると、ネガティブな方向に意識が向いてしまう。だからこそ、自分が使う言葉はできるだけ明るいものを選ぶようにしたい。

 だからといって、無理にすべてをポジティブにする必要はない。人間はネガティブな感情も持っているのが自然だ。それも否定してしまっては、かえってストレスになる。ポジティブ心理学という学問では、ポジティブとネガティブの感情が3:1のときに人生が好転するといわれている。ネガティブを受け入れながらポジティブを増やしていくことで幸福感が得られ、生産性や自己肯定感、健康にも好影響を及ぼすと考えられている。明るいメンタルが睡眠の質を高め、よい睡眠が明るいメンタルを作る、好循環を目指そう。

◇「脱・ながら作業」で仕事と睡眠の質を上げる

 朝の支度をしながらテレビを見たり、単純作業をしながら動画を見たりすることがあるだろう。しかし、実はこうした「ながら作業」は脳に大きな負担をかけてしまう。複数の仕事を同時にこなしているように見えても、実際の脳の中では短時間でタスクを切り替える「タスク・スイッチング」が行われているだけなのだ。マルチタスクは脳への負担が大きく、脳疲労が蓄積する原因になってしまう。

 1つのことに集中するシングルタスクのほうが脳は疲れにくく、高いパフォーマンスが発揮できる。仕事のときはスマホの電源を切る、メールやチャットは決まった時間にまとめて対応するなど、自分のルールを決めよう。目の前のことに集中して、1つのことを丁寧に、かつ高速で処理するよう意識することで、日中のパフォーマンスも睡眠の質も高められる。

◆ぐっすり眠る、夜の快眠習慣
◇掃除で呼吸を深く整える

 部屋や机の上が散らかっているのは、脳が疲れ切っているサインだ。脳疲労によってやる気や判断力、集中力が低下し、片付けができなくなってしまっているのだ。脳が疲れたままでは深い眠りに入ることはできない。