誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるvoicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

「他人は100%信用してはいけない」と精神科医が断言するワケ

「他人を見る目」を過信していませんか?

人を見る目がある人、別のいい方をすると洞察力がある人っていますよね? でも、人を見抜くことって、多少はできたとしても、本質的にはできません。表情や態度、言葉遣い、服装などから、礼儀正しいかどうかはわかりますが、それはあくまで表面的なことです。

別の場面で、利害関係のない人には、やたら横柄な態度をとっているケースだってあります。「あの人は、いい人だ」なんて断定的にいう人もいますけれど、それはある側面を見たときの思い込みにすぎないかもしれないですし、実際、そういうことは多いもの。他人を見る目を過信してはいけないのです。

100%信用しきってはいけない

じゃあ、どうしたらいいか? 大切なことは、その人の一面を捉えて信用しきらないことです。こんなことをいうと薄情に感じるかもしれませんが、他人との関係性でなにがあっても大丈夫なふうにしておくには、どんな関係性であっても全面的に相手を信用するのは危険なのです。

とくに組織のお金に絡むことは、ある特定の人に全権を委任するようなことはせず、複数人がチェックする体制を整えないといけません。結局、人を見抜くことはできないのですから、他人がなにかやらかしても、なんとかなるような体制を整えておく。なにごとにつけ、100%信じることがないほうがいいと思うんです。

信頼しないと苛立つ人は怪しい

それはお互いに円滑な関係を築くうえで必要なことだと思うんです。「私のことを信用できないの?」なんていって理解を示せない人は、逆に信用できない人かもしれません。信用できる人であれば、やましいことも不都合なこともないので、柔軟に理解を示すでしょう。

自分が信用されないことに苛立つのは、ちょっと痛いところ突かれているようなところがある証拠。なにか後ろめたさを抱えていて、信頼を裏切る可能性があると考えたほうがいいかもしれません。

人を見抜く方法はないという前提のもと、100%信用することなく、なにが起こっても大丈夫なように対策を打っておくことだ大事です。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。