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安易に背中を押してくれる人
自分では決断しきれず、どうしようかと迷うとき。まわりの人に客観的な意見を聞いてみることは大切です。でも、安易に「いいと思う」と肯定してくれる人には、ちょっと注意してください。
「こんなことやりたいけれど、どう思う?」とまわりの誰かに尋ねたとします。こういうときは、たいてい背中を押してほしかったりするものですよね。しかし、それが重要な意思決定であればあるほど、ふつう相手は考え込んでくれるものです。ケースバイケースですが、安易に「いいと思う」とはいわないものです。
たとえこちらが背中を押してほしいのだとしても、関係の深い人であればあるほど、安易には背中を押してくれないでしょう。しかし一方で、簡単に背中を押してくる人もいます。それは、相手が背中を押してほしそうだから、よく考えもせず「いいと思う」と肯定しているのかもしれません。この場合、本当の意味での共感とはいえないんですね。
「肯定しておけばいい」という処世術
もちろん、なかには「悩む必要なんかないじゃない」と思って、背中を押してくれるパターンもあるかもしれないけど、そういうときは、なんていうか言葉に深みが感じられるものです。
そうじゃなくて、安易に「いいと思う」といいがちな人は、世渡りのための処世術みたいなところがあるんですね。簡単にいうと、相手のことをあまり考えてはいないということです。
疑ってかかるような見方をするのは、よくないかもしれませんが、「いいと思う」と肯定しておけば印象は悪くならないという安易な気持ちが内在している可能性もあるということです。
安易な肯定はうのみにできない
もちろん、ケースバイケースではあるのですが、「いいと思う」と肯定してくれる人は、一見いい人のように思えますが、なんでもかんでも肯定しがちな人は、ちょっと無責任な可能性があります。
嫌な人とかダメな人というわけではないですし、他人からの相談というのは責任をともなうわけでもないのですが、安易な肯定はうのみにはできないということです。
相談した時点で、背中を押してほしいという期待があったとしても、自分の考えを率直にいってくれる人は貴重だし、大事にしなければなりません。
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