年末の帰省、友達と「年越しドライブ」に出かけ……
12月31日の深夜。帰省したAは「年越しドライブ」と称して友人3人を誘い、初日の出を見るため海に向かってスポーツカーを走らせた。ハンドルを握り始終ご機嫌なAは、途中の広域農道に入ると直線でぐんぐん加速し、ついにメーターは時速100キロを表示。友人たちも手をたたいて喜んだ。
ところが長い直線を走り終えた時、突然サイレンの音と共に背後から声が聞こえた。
「前の車、止まってくださーい」
Aがあわてて左端に車を寄せて止めると、パトカーから下りた警察官が現れた。
「ずいぶんスピードが出ていましたね。この道路の制限速度は時速50キロですよ」
年が明け、新年の挨拶のため社長と得意先を訪問することに
年が明け、出社したAに早速B課長が声を掛けた。
「早速だけど明日、君が担当している乙社と丙社に新年の挨拶を兼ねて訪問するつもりだ。C社長も同行するから、A君は当日の車の運転と、今すぐに先方へのアポ取りを頼むよ」
Aは泣きそうな顔で言った。
「実は今、車の運転ができないんです。休み中にスピード違反で捕まって、免停になっちゃいました」
「えーっ!その免停って何日間なの?」
「速度50キロオーバーでしたが、今まで違反がなかったので90日間だそうです」
甲社の取引先企業はそのほとんどが電車、バス便がない場所にあり、しかも訪問時には注文を受けた製品を届ける必要があるため、車での移動は必須である。
その日の午後。C社長はB課長に尋ねた。
「明日の件、アポは取れたかな?」
「社長、困ったことになりました。A君が90日間の免停中で、車の運転ができないらしいんです」
「なにーっ!」