誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるvoicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />悲しみのどん底で精神科医が教えてくれた大切なこと<br />

突如として大切な人を亡くす

大切な人や身近な人が、突然、亡くなってしまうことがあります。ふつうに暮らしていると、あまり考えないことですが、アテクシも30代のころに肉親やパートナーを失って、だいぶ落ち込みました。

そういう経験もあって、いまは遺族の悲しみや痛みに寄り添う「グリーフケア」の外来も行ってます。大切な人が突如として亡くなると、残された人は悲しみに暮れ、自分の気持ちをどう保っていいかわからなくなりがちなのです。

「天国」を想像してみる

そういうときの考え方の1つとして、「天国」を想像してみる方法があります。もちろん、実際に天国が存在するかどうかが問題ではありません。気持ちの問題として、亡くなって天国に召された故人が「自分のことをみてくれているだろう」と思ってみるのです。

そして、「亡くなった大切な人のぶんまで、自分は楽しんで生きよう」と考えます。いずれ自分自身も、亡くなるときが訪れます。そして、先に旅立った故人と天国で再会したとき、「あなたが亡くなってから、自分はこういうふうに楽しく生きてきたよ」と語れるようにする。

すると、「やれるだけやって、これからの人生を充実させよう」という気が起こると思うんです。天国で再会した故人から「自分のぶんまで楽しく生きてくれて、ありがとう」と褒めてもらうことを1つの目標に掲げてみるのです。

悲しみを元気につなげる

そういう発想を広げてみると、悲しみに暮れてばかりはいられないとも思えてきます。悲しい出来事をなんとか自分の元気のもとにつなげる。辛くてしょうがないとき、歯を食いしばって頑張らなくてもいいです。ボチボチやりながら、徐々にそういう発想を自分のものにしてみてください。

なにかを失っても、ひどく落ち込むことはありません。生きるということは、なにかを失いながら、なにかを得ることともいえます。得られることも必ずあります。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。