英語話者の大半が“非ネイティブ”になった現代。そんな時代にあわせた学習法が話題となり2013年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けているのが『英語は「インド式」で学べ!』だ。非ネイティブ同士がコミュニケーションするための「道具」として、英語史上最もカンタンになっている21世紀の「世界標準の英語」が日本人向けに解説されている。本連載では、そんな本書のエッセンスをお伝えしていく。
【日本人のここがイマイチ】会話の中で白目をむいてしまう
「日本人がみ~~んなやっている、『アレ』は、何かの儀式か??」
これは、約30年前に、私が商社にいた頃、アラブ人に言われた、衝撃的な言葉です。
会議で、こちらは日本人が4~5人いて、同人数のアラブ人との商談でした。私は「コーディネータ&通訳の係」として、同席していました。
会議が終わり、休憩時間になると、フレンドリーな感じのアラブ人は、上記のようなことを言ってきたのです。
「アレ」…というとき、彼は、私たち日本人のアレのマネをしました。
そのマネされた「アレの動作」とは……、
「黒目を上に上げて、白目を出すこと」
これは、私たち日本人が、考え事をするときに、よくする動作ですね。
「何度も何度も白目をむいて、アレは何かの儀式か?
「えっ…!?」
私は想定外のその質問に、一体、何のことを言われているのやら、一瞬、「ア然」としてしまいました。
ですので、そう言われたその瞬間も、彼の前で、私は「白目をむいて」いました(笑)。
「ヤスダさん、それですよ、それ。その『白目をむく』のって、日本人にとっての、なにかの儀式なんですか?」
「あぁ、これですね。これは、私たち日本人が、何かを考えているとき、この白目をむく動作を、よくするんですよ…」
「え~~、ウソだろう!! そんな奇妙なことを、日本人はするのか?」
……彼はビックリしていました。
「日本人は会話の中で、白目をむく…」
まさか、そんな奇妙な印象を、私たちが与えているとは……。これは、私の外国人との体験の中でも、最も忘れられない出来事の1つです。
【これで解決!】白目をむかず、アイコンタクトを
この解決方法は、「考えるときには、白目をむかない」という解決法しかないですね(笑)。
別に「このジェスチャー自体が悪い」ということはないのですが、世界的に見ても結構珍しく、また奇妙と思われがちなもののようです。
おそらく、日本人は「ちゃんとした英語を話そうとして、英語を話すときに、必要以上に、話すことを考えてから、口に出す傾向が強い」から、この動作が、特に目立ってしまうのでしょうね。
ですので、ちょっと「白目をむかない」ように、気をつけてみてください。
これ以外でも、私のこれまでの外国人とのコミュニケーション経験を振り返ると、「会話の際のアイコンタクト」は、日本人同士のとき以上に、影響が大きいのです。
「アイコンタクト不足」で損する日本人
そこで、少し、「アイコンタクト」について説明しておきましょう。
「アイコンタクト」が少ないと、どうしても話し相手に対して、
①「興味がなさそう」
②「怒っていそう」
……そんな印象を与えてしまうのです。
日本人は、世界の他の国の人々に比べると、「アイコンタクトの頻度が少ない方」なのです。
相手の目を見ること(アイコンタクト)ができずに、ちょっと恥ずかしくなってしまって、空中を見てしまったり、書類に目をやってしまったりするビジネスパーソンは多いですよね。
でも、実は、日本人は「アイコンタクト不足」で損してしまうことの方が多いのです。
ですから、「英語の会話」では、日本人同士のときよりも、ちょっと意識して「アイコンタクト」を増やしてみましょう。
相手の目を見つめ続けるのが難しい場合には、「相手の喉もとあたり」に視線を落としておけば、相手はアイコンタクトをしているように感じてくれますから、それも、1つの方法です。
そして、くれぐれも、「考えるときに白目をむくクセ」には気をつけてくださいね(笑)。