パワーユニットにも工夫がある。RSの走行モードはECON/ノーマルに加えスポーツを用意。アクセル操作に対する応答性をより早めた。
次代に最適なスポーツ性
e:HEVの新たな可能性を体感
ドライブすると、スポーティモデルらしく軽快でダイレクト。e:HEVシステムは、駆動用モーターの最大出力を従来比13psアップの123psにして加速性が向上。エンジンのレブリミットは300rpm高い6300rpmに引き上げている。制御としては、アクセル開度よりも駆動力を早めに立ち上げる設定。エンジンが発電する回転よりも速い加速は、鈍さや空転感を感じさせない。
ゼロスタートや旋回からの加速では、瞬時に立ち上がるモータートルクが強力に前へ前へと引っ張る。これは駆動モーター出力のパワフル化だけでなく、発電機(エンジン)の出力を98psから106psにして発電用モーターを70kWから78kWに出力アップしたこと、アクセルに関する緻密な制御の相乗効果だ。ステアリングの減速パドル制御も改良され、クリックごとにワンペダルに近い減速Gを強める。RSはドライビングのリズムが作りやすい。
旧型と異なりMTはないが、ドライバーを心地よくする演出は十分。モーターとほぼ発電機に徹するエンジンの協調制御により、あたかもATが変速するかのようなシフトアップ感を演出してくれる。次代に最適なスポーツ性、e:HEVの新たな可能性を体感した。
(CAR and DRIVER編集部 報告/桂 伸一 写真/HONDA)