11×11~19×19をパパっと暗算できる「おみやげ算」。新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』は、小学生の計算力強化はもちろん、大人の脳トレとしても役立ちます。本書の著者である、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏に、「計算の順序」にもふれながら、わかりやすく解説してもらいました。

【制限時間15秒】「41、39、36、31、□、13、0」の□に入る数とは?Photo: Adobe Stock

おみやげ算のおさらい

はじめにヒントもかねてお伝えしますと、本記事タイトルの「□に入る数とは?」の問題は、中学数学の範囲です。

それでは、おみやげ算の解き方を復習しておきましょう。

(例)18×12=

①18×12の右の「12の一の位の2」をおみやげとして、左の18に渡します。すると、18×12が、(18+2)×(12-2)=20×10(=200)になります。

②その200に、「18の一の位の8」と「おみやげの2」をかけた16をたした216が答えです。
まとめると、18×12=(18+2)×(12-2)+8×2=200+16=216です。

この2ステップで、例えば、16×14、13×15、17×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。

「おみやげ算で計算できる理由の証明(文字式を使った説明)」については、本連載の第2回『「16×18=288」が爆速で暗算できる驚きの方法』に掲載しています。

また、小学生向けの理由の説明は、新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の巻末に、長方形の面積図を使った方法を載せているので、興味のある方はご参照ください。

「41、39、36、31、□、13、0」の□には何が入るでしょうか?

まず、次の問題をみてください。

【問題1】次の数列の□に入る数を、中学数学の範囲で求めましょう。[制限時間15秒]
41、39、36、31、□、13、0

この問題では、となりあう数の差を考えましょう。
41-39=2
39-36=3
36-31=5

「2、3、5」という数の並びで気づかれた方もいるのではないでしょうか。そうです。となりあう数の差が素数(小さい順に、2、3、5、7、11、13、…)になっています。素数とは、「1とその数自身しか正の約数がない、2以上の整数」です(素数は旧課程では小5の範囲、新課程では中1の範囲なので、問題文に「中学数学の範囲」の注釈を入れました)。

初めの数41から、素数を小さい順(2、3、5、7、11、13)に引いていった数列ということですね。「2、3、5」と続いたので、31から「素数の7」を引けば、(31-7=)24と求められます。

□に入る数は24ということですね。

6番目の数は、24から「素数の11」を引いた13、7番目の数は、13から「素数の13」を引いた0となり、元の数列と一致します。

では、この問題で出てきた「41、39、36、31、24、13、0」の数を使った計算を暗算できるでしょうか?