近い将来、調剤薬局は
ドラッグストアに淘汰される
ドラッグストアと調剤薬局は同じ薬局でも業態が違います。調剤薬局は病院や町のお医者さんの近くに開業している、主に処方箋を受け付けて薬を出してくれる薬局です。
厚生労働省の医薬分離政策で、今、街中には処方箋を受け付ける調剤薬局があふれています。その数は5万8000店ですから、数だけで言えばコンビニエンスストアの5万5000店よりも調剤薬局が多い状況です。
消費者から見れば、お医者さんのすぐ隣に調剤薬局があるので便利なわけですが、よくよく考えれば規模の小さい調剤薬局というのは経済原理的には不合理な存在です。経済の歴史を見れば、街の電器屋さんは大手家電販売店に淘汰されていきましたし、八百屋さんや魚屋さんはスーパーに取って代わられていきました。
それと同じで、近い将来、調剤薬局はドラッグストアに統合されていく流れになることは必至でしょう。
実際、ドラッグストアチェーンは調剤薬局の併設に力を入れていて、そこをこれからの勝負のポイントだと考えているのです。
ドラッグストアは、大都市の中心部よりもむしろ郊外での出店が加速しています。郊外で、たとえばお医者さんに行くにも車で通うような地域であれば、診察してもらったあと、薬は帰りがけに調剤薬局併設のドラッグストアで買ったほうがほかの買い物も一緒にできることから消費者にとっては便利です。