ドラッグストアは「もうかる」
小売店よりも利益率が高い

 企業としての売上高営業利益率を見ると、直近の決算で売上高が1兆円のウェルシアHDは利益率4.5%、売り上げ9200億円のツルハHDが4.4%、7300億円のマツキヨココカラ&カンパニーは5.7%の利益率をたたき出しています。

 一方で、日本最大の小売チェーンであるイオンは総合スーパーであるGMS部門の売り上げが2.4兆円であるにもかかわらず、営業利益は148億円もの赤字。セブン&アイ・ホールディングス(HD)のGMSであるイトーヨーカドーも、売上高1兆円規模であるにもかかわらず、営業利益率はわずか0.2%です。

 大手小売業がもうからない中で、ドラッグストア業態はなぜもうかるのでしょうか。実は、売り上げの柱が医薬品と化粧品だという点に秘密があります。

 ドラッグストアチェーンの売上高構成は医薬品、ビューティーケア、日用品、加工食品が4本柱になっていて、それぞれがだいたい同じ売り上げ規模を稼いでいます。言い換えると、利益率の高い医薬品と化粧品が売り上げ構成の半分を占めているのです。そのことが、業態全体としての利益率を高めています。

 しかしそれにしても、ドラッグストアチェーンはいつまで拡大を続けるつもりでしょうか。ここに、3番目の要素である「ドラッグストアが淘汰するある業界」が関係してくると私は考えています。