85歳の男性の平均余命を見ると、91.7歳となっています。つまり、65歳男性の場合は、約92歳-65歳で27年分をみておくようにするのです。

 女性は男性よりも長生きですから、同じく65歳でリタイアを想定すると、平均余命24.9歳で約90歳、90歳の平均余命は5.9歳で約96歳ということになります。

 したがって、31年分で考えるようにしましょう。

 次に、老後(リタイア後)にかかる費用の総額を計算します。

 将来のことは予測が難しいですが、わかる範囲内で費用を見積もってみてください。

(9)月間生活費……生活費とは、家賃や食費、水道光熱費、通信費、交際費、保険料等です。各種調査によって、リタイア後の生活費は「現役時代の70%程度」というデータが出ています。現在の生活費の70%の金額を記入しましょう。

(10)住宅ローン……リタイア時に残っているローンの金額を記入しましょう。

(11)趣味等の費用……旅行が好きな人は旅行費用、車が好きで数年おきに新車に乗り換える人はその費用、といった形でリタイア後に楽しむための費用。

(12)リフォーム費用……持ち家の人で想定されるのであれば記入しましょう。

(13)介護費用……介護が必要になった時の一時費用(介護用ベッドや車いすの購入、段差解消や手すり取りつけなどのリフォーム費用)と月額費用×介護期間の合計額です。読みにくい費用ですが、1人600万円として計算しましょう。

(14)高齢者向け施設費用……将来は自宅ではなく、施設に入りたい人は見積もってください。地域や施設の種類によって大きく違いますが、参考までに平均値を紹介します。

介護付有料老人ホーム=入居一時金355万円:月額利用料22万円
住宅型有料老人ホーム=入居一時金102万円:月額利用料14万円
グループホーム=入居一時金10万円:月額利用料12万円
サービス付き高齢者向け住宅=入居一時金24万円:月額利用料15万円