社会人になってキャリアアップを考えるとき、資格を取りたいと思うことがある。ところが、忙しくて勉強する時間がなかなか取れないし、勉強してもすぐに忘れてしまうといって敬遠しがちではないだろうか。そんなときにお勧めなのが『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』。著者が働きながら3年で9つの資格に独学合格したノウハウだ。紙1枚とペン1本あればできるシンプルな方法にもかかわらず、大量に覚えて絶対忘れない「忘れる前に思い出す」最強の仕組み。資格試験、大学受験、公務員試験、どんな試験も完全攻略。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「紙1枚」勉強法とは何かについて紹介していく。(構成:長沼良和)

「紙1枚」勉強法Photo: Adobe Stock

勉強には「やめる自由」がある

 試験に合格するためには、「モチベーションの管理」が重要になる。

「モチベーション」というと、精神論に思われるかもしれないが、やる気を維持することは合否に大きく影響を与える。

試験当日まで挫折することなく継続するには「モチベーションマネジメント(やる気の管理)」がとても大切になります。(P.116)

 試験勉強は長期戦だ。最初のうちは合格に向けてがんばれるかもしれない。

 しかし、試験直前になってやる気がプツッと切れたら、本番で力を発揮できない。

 大学受験だったら、周りには受験生がたくさんいるから、「自分もやらなければ!」と気持ちを維持できるかもしれない。

 ただ、資格試験の場合は自分ひとりで取り組むことが多く、モチベーションのキープが難しい。

モチベーションは「下げない努力」が重要

 基本的に、モチベーションは放っておいたら下がるのが自然だ。

 一番モチベーションが高いタイミングは「この試験を受けよう!」と思ったときだ。

 そこから勉強を開始して、時間の経過とともにモチベーションは落ちていく。試験までやる気を維持するには、モチベーションの管理がやはり重要だ。

下がったモチベーションを上げるのは非常に難しく、「一度下がったら上げられない」と思ったほうがいいです。(P.121)

 モチベーション管理で重要なのは、上げようとするのではなく、「下げない努力」をすることだ。

「モチベーションを下げない」。それが、試験合格のカギになる。

「やる気貯金」を貯める

 勉強のモチベーションを落とさない対策は、「学習のペースを上げすぎないこと」である。

 調子がいいからといってペースを上げれば、一時的に学習が進むかもしれない。しかし、同時に疲労が蓄積され、ある日突然やる気を失う可能性もある。

 大事なのは、どんなに調子が良くても「スパッと切り上げる」ことだ。

「キリの良いところまであと少しだからやってしまおう」と思っても、時間が来たらやめること。中途半端な感じがするが、そこで止めることが大事だ。

「今日はもう少し勉強したかった」と、くすぶるかもしれないが、その気持ちが「やる気」である。

少し物足りないと思いながら眠ることで、そのやる気を翌日に繰り越しできます。これが「やる気貯金」です。(P.125)

「やる気貯金」を貯めていくことで精神的に安定してくる。そうなれば、ガクッとモチベーションが下がることもなくなるだろう。

仕事は仕事、勉強は勉強

 社会人の場合、「仕事の失敗」がモチベーションの低下につながることがある。

 仕事でミスをすると、ストレスでやる気が下がる。帰宅したときに「今日はちょっと勉強したくないな」と思って、そのまま寝てしまうかもしれない。

 この対策としては、「仕事と勉強を完全に切り分ける」ことがお勧めだ。

仕事と試験勉強を完全に切り離すことで、仕事で受けたストレスを持ち帰らなくて済むのです。(P.127)

 仕事のことを勉強に持ち込むことがなくなるので、仕事上の失敗でネガティブな気分を勉強に持ち込まないで済む。

「仕事は仕事、勉強は勉強」と切り分けよう。

 そのためには、会社を出たらすぐにイヤホンを耳につけて勉強をはじめてしまうのがコツだ。

仕事が終わった瞬間から学習を始めることで、会社を一歩出た瞬間から会社のことを完全に忘れることができます。そしてこれを継続していくと、帰宅時に学習することが当たり前になります。(P.127)

 会社を出た瞬間に勉強をはじめるスイッチが入るようになるので、仕事中に何が起こっても、ひきずることなく仕事に取り組めるようになる。

 これが習慣化すると、決まったタイミングで自動的にスイッチが入るので、勉強の強い味方になる。ぜひ、身につけてほしい。