短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

凡人の弱点が強みに変わる【異性のスーパーパワーを活用する法則】とは?

一流の人は本能のまま生きていない

 もちろん個人差はあるが、一般論として男性と女性では「強み」と「弱み」が異なる傾向がある。

 男性は「人に尋ねる」ことが苦手な人が多く、他社、他部署、お客様等、その人が日常的にコミュニケーションを取り慣れていない相手に「直接」聞くのをめんどうくさいと感じる人が多い。

 だから、なんとか電話などの直接コミュニケーションを避けてメールですませようとする。

 よって、その分、時間がかかる。

 また、一つのことに集中するのは得意だが、複数のことを同時並行で進めるのは苦手な人が多い。

 また女性に比べて大雑把な人が多い。

 一方、女性は物事を論理的に整理したり、数字の裏づけを取ったりするのをめんどうくさいと感じる人が多い。

 あるスタッフが「コレすごくいいですね」とほめていた商品について、1か月後に聞くと「全然よくない」と言うことがあったので、その理由を尋ねても論理的に説明することができなかった。

 また、報告事項などは臨場感を持って感情豊かに伝えてくれるが「主観や感情」に偏っていて、数字の裏づけがないケースも多い。

 しかし、男性の一流ビジネスパーソンはきめ細やかな感性を持っている人が多いし、人に聞くのもうまく、同時並行で仕事を進められる。

 また、女性の一流ビジネスパーソンは論理的思考で判断し、数字の裏づけを取って報告できる。

 男女とも一流の人は本能のおもむくままに生きていない。自分の本能を理解し、自分をコントロールして克服すべき部分は克服する「克己心」を持っているのだ。

異性のスーパーパワーを活用する方法

 自分自身は本能的な弱点を克服する努力をしつつも、他人の本能はできるだけその長所を活かしたほうがいい。

 あなたが管理職なら、部下にどんな仕事を振るかで迷ったことがあるだろう。

 あなたが努力してもできないことを、異性は「さっ」とやってしまうことがある。

 ある日、社長の私がどれだけ努力するより、今日入ったばかりの女性新入社員のほうが、上手にできることがたくさんあることに気づいた。

 私は、簡単なことでも複数のことを同時に行うのが苦手だ。

 複数の仕事を一つずつ進めると、難易度にかかわらず時間がかかってしまう。

 簡単な仕事が複数ある場合は女性に依頼すると、私の数倍のスピードで終わらせてくれる。

「女性の戦力化が課題」などと言っている会社は男性視点でしか見ていないからであり、全体視点で考えると、業務によっては女性のほうが圧倒的に戦力になるケースが多い

 また、多くの男性はどんな仕事でも、全体を俯瞰して目的を明確にする→自分のポジションを把握しながら計画を立てる→準備期間を経てスタートさせる、とうまくいく傾向がある。

 大きな仕事や長期の仕事をやるときにはこの方法が向いているが、「やりながら考える」「とりあえず目の前のことをやる」といった急ぎのときはこんな悠長なことは言っていられない。

 そこで、私は、急ぎの仕事は女性、長期の仕事は男性に依頼するようにしてみた。

 すると、ことごとくうまくいくようになったのだ。

 比較的規模が小さな会社は「長期のこと以前に、目の前の仕事をこなしていくことが大事」である。

 だから小規模の会社では女性が中心となってバリバリ活躍していることが多い。

 異性の長所を活かせると、社内でも相乗効果を上げることができるのだ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)