ウッチー、憲剛、阿部勇樹、そして俊輔も!
実績十分の選手は「ロールモデルコーチ」に就任

 JFAは内田氏の引退に合わせてロールモデルコーチを新設。指導者ライセンスを取得していなくても、積み重ねてきた豊富な経験を未来ある若手へ伝えられる状況も整えている。

 現在は内田氏がU-20代表、憲剛氏がU-16代表の指導にそれぞれ当たっている。まさにロールモデル(模範)として選手に一番近い場所で、一緒になって指導してきた2年間で、憲剛氏は指導者になるためにさまざまなジャンルの勉強を積み重ねる必要性を痛感したと振り返る。

「現役選手と指導者は同じものに対しても、見ている箇所を含めて全く違う。やはり指導は別物ですし、学びや気づきしかない。今シーズンも、指導者の道もしっかりとまい進していきたい」

 21年シーズンで引退した阿部勇樹氏(現浦和レッズユースコーチ)もロールモデルコーチに就任。さらにJFAは昨シーズン限りで引退した中村俊輔氏とも、ロールモデルコーチ就任へ向けて交渉。第2次森保ジャパンへ、ピンポイントで入閣させる意向を持っていると一部メディアが報じた。

 すでに現役最後の所属クラブだった横浜FCのコーチに就任。B級ライセンスも取得した俊輔氏は養成講習会で、インストラクターから「教え過ぎとアドバイスされた」と苦笑したことがある。

「サッカーと一緒で全部ゼロから、真っ白にしてから始めないとダメだね。自分の感覚を一回捨て去る必要があるし、指導者とはなんぞやからスタートです。経験がじゃますることもあるだろうし、やっぱり人と人だからね。信頼とか人間性が戦術より勝るのを何度も見てきた。考えさせて、それを促す作業も必要になってくる。B級の段階でそうなのに、これからA級、S級と続いていく。いろいろなことにトライして、いろいろな角度でいろいろな人から吸収していきたい」