そして、山本さんは、複数の切り口で行った診断結果の「なぜ?の接合点」が真因になり、その接合点の探索により誤診断の確率を下げられるとも説明しています。この「切り口のマルチ化」においては、演繹的な思考アプローチと帰納的な思考アプローチをも混在させることで、さらにその接合点は探しやすくなるとも話されています。
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定価\1,650
(朝日新聞出版 )
『独立思考』を読んで、一貫するメッセージとして感じるのは、「与えられたタスクやミッションを受動的にこなしていては『自ら考えて答えを出す』思考法は身につかない」ということです。本質的に問われている「思考の幹」や「真因特定のスピード化」までを自分で考えながら、日ごろ何気なくこなしていたタスクを、真に意味のあるタスクに変えていく。常識や慣習にとらわれずに自ら考えて答えを出す「独立思考」を獲得するためにも、日ごろのタスクレベルからそのような思考の習慣を意識していきたいものです。
(筆者:堀尾大悟)
戦略コンサルタント/事業プロデューサー
2004年に新卒でトヨタ自動車に入社し長らく新型車の開発業務に携わる。その後、TBSテレビへ転職。さらにアクセンチュアでのマネージャー経験などを経て、2018年にマーケティング総合支援会社F6 Design株式会社を設立し代表取締役に就任。トヨタ式問題解決手法をさらにカイゼンし、統計学を駆使した独自のマーケティングメソッドを開発。企業/事業の新規プロデュース、ブランディング、AI活用といった領域でのコンサルティングを得意としている。これまでに大手からベンチャーまで数多くの企業の要職を歴任/兼任中。趣味はアウトドア、野球。大阪府出身、京大院卒。F6 Design株式会社 http://f6design.co.jp/
ライター
大学卒業後、埼玉県庁に13年勤務した後、民間企業に転職。2020年より会社員兼業ライターとして活動。「東洋経済オンライン」「マネー現代」「朝日新聞デジタル &M(アンド・エム)」「日刊SPA!」などで執筆。
※AERA dot.より転載