「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験から、本当に子どもの体と脳によい食事がわかります。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。
ポイント① 市販の惣菜は「塩分」に気をつける
市販のお惣菜を買う時は、塩分少なめの商品を選びましょう。
私たちは細胞の「リセプター(細胞の表面にあるアンテナのようなもの)」で塩分を感知しています。いつも塩分多めのものを食べていると、「僕たちの出番だ!」とリセプターが認識して、その数が増えていってしまいます。
そしてリセプターが増えすぎると、薄味のものでは満足できなくなり、結果として塩分を摂りすぎてしまうのです。
しかし塩分を少しずつ減らすと、リセプターの数も少しずつ減っていきます。やがて薄味でもおいしく感じることができるようになります[*102]。
食品の栄養成分表示を見るときは「食塩相当量」で何gかを確認してください。2020年の日本人の食事摂取基準では、6~7歳の場合、1日あたり4.5g未満が基準とされています。成人では男性7.5g未満、女性6.5g未満ですから、大人と同じ味付けでは摂りすぎてしまいます。できるだけ少ない塩分量に抑えたいですね。
そして揚げ物はできるだけ避けましょう。
ポイント②
市販の惣菜は「たんぱく質を摂れるか?」の視点でチョイス
「何を買おうかな?」と迷ったら、たんぱく質を摂れる惣菜かどうかという視点で選んでみてください。焼き鳥や粕漬けの焼き魚など、調理が手間であったり、家では作りにくかったりするものを選ぶのもいいですね。手間のかかる煮物やワンパターンになりがちなサラダも便利です。特別な日には、主食と主菜が同時に摂れるお寿司などでDHA、EPAを補給してみましょう。
このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。
(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・編集したものです)
小児科医、公衆衛生の専門医
赤坂ファミリークリニック院長。東京大学医学部附属病院小児科医。
東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。
NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。
東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科修了。