誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】知らないと怖い「依存」の根本原因Photo: Adobe Stock

やめたほうがいいのは
わかっているけれど……

特定のなにかに心を奪われてコントロールを失い、やめたくても、やめられない状態になる「依存症」。精神科の領域では、最も治しにくい症状の1つといわれています。ニコチンやアルコール、薬物などの物質的な依存症、ギャンブルなどの行動・習慣的な依存症があります。

やめたほうがいいことは本人もわかっているのですが、やめられない。「やめればいい」というシンプルな解決法であるがゆえに、やめられない。依存症とまではいえないまでも、なにかに「依存」することはあります。しかも、「やめればいい」とさえ気づかず、執着してしまうケースもあるのです。

嫌なことを忘れるために
手を出してしまうと……

とくに、嫌なことを忘れたいがために手を出すと、それは依存症に発展する可能性があります。たとえば、友だちや恋人と楽しく食事をしながらアルコールを飲むぶんにはいいのですが、嫌なことを忘れるためにアルコールの力を借りるようになると、アルコール依存症に発展しがちです。

買い物にしても、必要なモノや自分へのご褒美などを買っているぶんにはいいのですが、嫌なことを忘れるために買い物をするようになると、買い物依存症に発展しがちなのです。

いずれにしても、嫌なことを忘れるために、行動しはじめると依存の危険信号が点滅するということですから、その時点でいかに気づいて、自分自身にストップをかけられるかが大切になります。

“依存症の扉”を開かないように

じゃあ、具体的にどうすればいいのでしょうか? 肝心なのは、悪い意味での「依存」にならない対象を知っておくこと。アルコールやギャンブル、薬物など、悪い意味で依存しやすい対象ではなく、たとえば運動や勉強、アート、囲碁・将棋など、より健全な対象に発想を切り替えるのです。

「別に興味がないからハマれないな」というのであれば、嫌なことが頭に浮かんできたら、散歩する、お風呂に入るなど、行動や環境をかえてみるといいです。嫌なことを忘れるために、危険な依存対象を選ばないようにする。少なくとも依存症の扉を開かないように意識することが大事です。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。