誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】真面目な人は損をする? ミスや失敗を生かす方法Photo: Adobe Stock

ミスや失敗をそのまま生かす

ミスをしたら正そうとしがちですよね? 人はどうしても物事を綺麗にしようとする傾向があります。失敗したら、やり直す。雑なところは、整える。もちろん、程度問題ではありますが、間違いやミスをそのまま生かしてあげると、意外とオリジナルティのあるコンテンツになったりすることもあるんです。

アテクシはVoicyYouTubeの収録で、たまに噛むことがあります。5分前後のコンテンツですから、修正や撮り直しをすることは、たいした手間ではないのですが、あえてそのまま公開しているんです。そのほうがライブ感や躍動感、親近感がなんかがあっていいかな、と思ってのことです。

修正が風合いを損ねてしまう

こんなふうに自分がやらかしてしまった程度のミスや失敗というのは、そのまま見せてしまうというのも、1つの方法だと思うんです。文章やイラストなども、ちょっと雑なところをあえてそのまま生かす。あまりにムダのない洗練されたものだと、かえってコンテンツの風合いを損ねてしまうことにもなりかねません。

最初の新鮮なアウトプットの独自性が、よかれと思って修正をすることによって失われ、なんの面白みも味わいもないものになってしまっては、本末転倒ですよね。真面目な人ほど、ミスや失敗を正さなければいけないと思い込んで、完璧に直そうとする。そもそも完璧とはなにか? という疑問も生じます。

失敗が世界的ヒットに

自分が目指している完璧は、客観的には完璧から遠ざかる行為かもしれないのです。クリエイターに限らず、こういう発想を得ることで、これまでとはひと味違った仕事ができるかもしれません。

米3M社の粘着メモ「ポスト・イット」(付箋紙)がどうやって生まれたか、ご存じでしょうか? じつは強力な接着剤を開発していたところ、逆に粘着性が非常に弱い接着剤ができてしまった。この失敗が「くっつくけど簡単にはがれる接着剤」として活用され、裏面全体をのり付けした付箋紙、ポスト・イットとして世界中に広まったのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。