仕事や学校、家庭など、人生のあらゆる場面で人間関係から逃れることはできません。自分と相性が悪い人と関わると、どうしてもストレスが溜まってしまいます。
そこで、参考になるのが、会社員時代に音楽プロデューサーとして、ミリオンヒットを10回記録した後、39歳で退職してニュージーランドに移住した、四角大輔さんの新刊『超ミニマル主義』です。無駄なものをすべて手放して「最小限=ミニマル」を極めることで、自分の可能性を「最大限=マックス」に発揮する方法を明かした本書より、「人間関係の悩み」が一発で消える“効果バツグンなワザ”をご紹介します。
メモを書くと「心の荷物」がグッと軽くなる
メモ術の真髄は、「心の荷物の棚卸し」である。
誰もが普段から、「気持ちが軽くなった」とか「考えただけで気が重くなる」とか、心の状態を“重さ”で表現する。そもそも「心」とは脳という臓器に宿る「感覚」であり、心そのものは完全なる「非物質情報」。
それゆえ、誰もが気付かないうちに大量の「心の荷物」を抱え込んでしまう。その荷物が積み重なっていくと、脳は激しく疲弊し、深刻なストレスとなってあなたを襲う。
人間関係に疲れない人は、悩みの原因と向き合っている
例えば、会社を辞めたいと思い詰める。これは、かなり重い心の荷物。でも、その荷物をおろす前に「なぜ会社を辞めたいのか」と、自分に問いかけながら掘り下げて考え、断片的なメモにしてみよう。
その理由を1つずつ吟味して「最大重量=10ポイント」に対して「何ポイント」かを数値化していくのだ。つまり、「心の荷物の重さ」を可視化するということ。
●営業の仕事がきつい?(YES。でも1番の理由じゃない⇒7)
●職場の人間関係が重荷?(YES!⇒8)
●誰との関係が重荷?(Sさん!⇒9)
●自分にとってSさんは超重要人物?(そうでもない⇒5)
●Sさんとうまく距離を置ける?(やれるかも⇒3)
というように、心配の元を書き出し、点検していくことで、重荷の正体を突き止めることができる。ここで重要なのは、ちゃんと文字にすることで「目に見える情報」——つまり、ある種の「物質」に変換することだ。
感情を整理するためのこの心理的テクニックはまさに、「心を軽くするための棚卸し」だ。仕事や人間関係でトラブルに遭い、「どうしたらいいかわからない」というパニックになる時も、この手法は非常に有効である。
少なくともぼくは、「どうしようもないくらい辛い時」や「大きなトラブルの原因を探る時」は、この作業によって乗り越えることができた。
感情的になるのを防ぐ効果もある
こんなメモ術もある。仕事でミスをして上司に怒られた時、叱られた内容をメモに書きとめておくのだ。反省文を書くわけじゃない。叱られた理由やアドバイス、その時の気持ちを箇条書きにする。こうすることによって、心を占領していたモヤモヤは、その居場所を「メモ」に移すことになる。
さらに、「ミスをして叱責された」という事象を冷静に客観視することで、その失敗を「次に活かそう」と思えるようになる。ミスもお叱りも「無駄じゃなかった」と気持ちを切り替え、ネガティブな感情に落ちる前にリカバリーできる。
つまり、メモとは「情報を記録する」以外にも、「深層心理の重荷をおろす」こともできるということ。自身の内なる部分を整え、「失意」「パニック」「怒り」をマネジメントする技術でもあるのだ。これができれば、精神のアップダウンを最小限に抑えることができる。
(本記事は、『超ミニマル主義』より、一部を抜粋・編集したものです)