心のケアとしてのホウレンソウ

 このように、すぐに機嫌を損ねてしまう上司とうまく付き合っていくには、上司の不安を和らげてあげることが大切だ。そこで有効なのが、いわゆる「ホンレンソウ」。つまり報告、連絡、相談である。

 なぜホウレンソウが必要なのか。上司は、自分の部署が抱えるあらゆる仕事の現状を把握していないと適切な指示が出せないとか、経験不足の部下が誤った判断をするといけないなどと言われる。そのような実務的な意味に加えてもう一つ、心理学的にも意味があるのだ。

 その意味とは、上司の心のケアである。「部下のホウレンソウが上司の心のケアになる」と言われてもピンと来ないかもしれないが、実は実務的な意味よりもこちらの方が重要なケースも少なくない。

 部下からのホウレンソウがひんぱんにあれば、上司としての自分の存在感を確認できる。自分は尊重されている、頼られていると実感できる。それが見下され不安を和らげてくれるのである。

 部下からのホウレンソウがあまりないと、上司は自分の存在価値を傷つけられたような気持ちになりやすい。こういうときには自信のない上司ほど、部下からないがしろにされている、頼られていないといった思いに駆られてしまいがちである。

 部下が上司の心のケアをする意味があるのだろうか?と思われるかもしれないが、もしもあなたの上司が「思わぬことで機嫌を損ねる」「ちょっとしたことですねる」タイプであれば、傷付きやすい上司である可能性は高い。心のケアとしてのホウレンソウを、ぜひ試してみてほしい。