「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。

「間に合わない」を英語でどういう?Photo: Adobe Stock

よく使われるmake itの形を使いこなそう

 make it は非常によく使われる重要表現だが、何となく曖昧に覚えている人も多いのではないだろうか。make it の基本となるイメージは「何らかの目標に到達する」。そこから転じて、次の4つの意味で使われることが多い。

 make it
 (1)「目的地に着く」
 (2)「成功する」
 (3)「出席できる」
 (4)「生き延びる」

 いずれも目標に到達するニュアンスを見て取れるはずだ。このitは漠然とした目標を指していると考えておこう。

(1)「目的地に着く」

Our train leaves in three minutes. We’ll never make it.
「私たちの乗る電車は3分後に出てしまう。間に合わないよ」
◆ 「何かに間に合って着く」というニュアンスで使うことが多い。make my 11:30 flight(11:30のフライトに間に合う)のように、itではなく具体的に「何に間に合うのか」を明示する場合もある

I just made it in time for the meeting.
「会議に間に合った」

The climbers finally made it to the top of the mountain.
「登山家達はついに山の頂上に到達した」
◆ 具体的に到達した場所を明示する場合は、make it to ~の形で表す

The team made it to the finals against all odds.
「そのチームは、大方の予想に反して決勝戦に進出した」

(2)「成功する」

Roger couldn’t make it as an actor.
「ロジャーは俳優として芽が出なかった」
◆ make it as ~で「~として成功する」

Bill worked hard and was able to make it in the fashion industry.
「ビルは努力して、ファッション業界で成功を収めることができた」

Recently I read about people who made it big in real estate.
「最近、不動産で大成功を収めた人たちについて読んだ」
◆ make it bigで「大成功する」

(3)「出席できる」

「間に合わない」を英語でどういう?Photo: Adobe Stock

Good to see you again. I’m glad you could make it.
「また会えてうれしいです。あなたが来られてよかった」
◆ このように(3)の意味では、都合がついて会合や催し物などに出席できるという文脈で使うことが多い

I’m sorry, but I won’t be able to make it on Sunday. Can I take a rain check?
「すみませんが日曜日は伺えません。またの機会にさせていただきます」

(4)「生き延びる」

Mrs. Hall is very sick. The doctors don’t think she is going to make it.
「ホールさんはとても具合が悪い。医者はもう無理だろうと考えている」

Only 25 percent of new businesses make it to 10 years.
「新会社のうち、10年存続できるのは25パーセントに過ぎない」
◆ 企業が「存続する、生き延びる」という意味でも用いる

□ against all odds あらゆる予想に反して、大きな困難を乗り越えて
□ industry(名)業界
□ real estate 不動産
□ take a rain check「今回は行けないが、またの機会に行きたい」ことを伝える表現
□ glad(形)うれしい

(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)