解決できない問題に悩むのは時間の無駄
詩人として食べていけないのなら、別の仕事をしながら趣味で詩を書き、子どもが独立して生活が安定したあとで、大学に入り直して本格的に詩を勉強し、年金収入で暮らしながら創作や講演をする。
ファミリー企業の社員であれば、会社を改革するのではなく、自分が転職するか、ファミリー企業のよさ(定年まで安定した地位が約束されている)を再認識して、ワーク・ライフ・バランスのいい人生を設計する。
5年間も失業していたら、職歴の空白によってますます再就職が難しくなる。だとしたら、理想の仕事を求めて無駄に履歴書を送りつづけるのではなく、ボランティア(無給)でもいいからなにかの仕事に従事し、それを経歴に書けるようにする。
医師免許を取得するのに10年かかるという現実は変えられないのだから、それだけの価値があるのかを考え、自分で決めるしかない。その価値があると思えば医学部に入り、そうでなければヘルスケアの分野に進んだり、保険会社で健康プログラムに携わってもいいだろう。
解決できない問題を解決しようとして悩むのは、人生の無駄なのだ。
作家
2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)、『幸福の「資本」論 -あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』(ダイヤモンド社刊)、『橘玲の中国私論』の改訂文庫本『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)など。最新刊は『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)。毎週木曜日にメルマガ「世の中の仕組みと人生のデザイン」を配信。