20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。

大学入試Photo: Adobe Stock

半分の学生は「テストなし」で大学に入学している!

 下の円グラフでご覧の通り、今や一般入試以外の選抜がごく普通になっている。特に私立大では、推薦・AO入試による大学入学者が50%超えだ。

選抜方式ごとの大学入学者の割合選抜方式ごとの大学入学者の割合(2021年度)
(注)通信課程、外国人留学生選抜等は含まない。「その他」は、専門学校・総合学科卒、帰国子女、社会人等の選抜(文部科学省資料より)

 その傾向がより強いのは中堅以下の大学だが、早慶クラスでも過酷な一般入試で疲弊せずに大学生となった層がすでにぶ厚く存在する。2016年度からはついに東京大学も推薦入試を開始した。

 2021年度からは、推薦入試は「学校推薦型選抜」、AO入試は「総合型選抜」と名称が変わった。大学の入り口はいろいろあっていい、と『大学図鑑!』は考える。

 ただし、学校推薦型・総合型選抜のスケジュールはけっこう早いので、受験生は自分にとっての利用価値の有無をさっさと判断したほうがいいだろう。

学校推薦型選抜も2種類ある

 学校推薦型選抜の種類は2つに大別できる。大学が特定の高校だけに募集をかける「指定校制」と、基本的に誰でも出願できる「公募制」だ。後者はスポーツや文化活動などで秀でた実績のある者を対象とした特別推薦枠と、高校での学業成績がそれなりなら誰でも受験できる一般推薦枠などがある。

 行きたい大学の詳細は、公式HPなどでダイレクトに調べたほうがいい。総合型選抜は、大学が求める学生像をまとめた入学者受け入れ方針(Admission Policy)に沿って、面接や小論文などにより選考を行う。

 また、学校推薦型と総合型のいずれも、学力面の評価も重視する方針が文科省から打ち出されている。それに伴って、独自に教科・科目のテストを実施したり、共通テストを課す大学も増えていくだろう。

まとめ

 多様な入試制度の中身をなるべく早く確認せよ!