国公立大学を狙う学生にとって必須なのが、2020年から始まった大学入学共通テストだ。旧センター試験と同じつもりで挑むと大けがすること必至。特集 『 一度覚えたら忘れない英語勉強法』(全 16回 )の#6では、親世代の常識は一切通用しない、新時代の大学受験英語対策を解説する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)
親世代の常識は通用しない
新・大学入学共通テスト「満点」の秘策
知識偏重型ではなく、思考力、判断力を問う入試へ。進むグローバル化、産業構造の変化に対応できる人材育成を見据え、2020年から始まった大学入試改革。その先頭を切ったのが、30年間続いてきた「センター試験」から「大学入学共通テスト」(共テ)への移行だ。
共テへの移行に伴い、全科目で出題傾向は大きく変わった。英語の変貌は素人でも分かるほど劇的だ。1月に行われた23年度入試の問題を見ると、親世代がかつて経験したセンター試験とはまるで違うことが一目で分かる。
文法、発音やアクセントといった単純な知識問題はどこにも見当たらない。共テは、読む力を問う「リーディング」と聞く力を問う「リスニング」の2パートに分かれているが、特にリーディングでは、冒頭の説明文を除き日本語は一つもない。全て英語だ。英語圏で実際に使われるような資料や論文、図版などが延々と並び、何よりそのボリュームに圧倒される。
「平均的な学力の生徒でもコツコツと努力すればある程度は得点できたセンター試験と異なり、得点の二極化が進んでいる」と指摘するのは、大学受験予備校の河合塾で英語講師を務める小森清久氏。今の共テは、大多数を占める中間層の学生にとって非常に厳しいというのだ。
共テは、センター試験と同様国公立大学を目指すならほぼ必須。私立大学専願でも、共テ利用が可能な私立大はいまや8割以上を占める。どのような出題形式にも対応できる優秀層などは一握りだ。
では、平均的な生徒が大学入試改革で激変した共テで勝つにはどうすればいいのか。満点を取る近道は何か。次ページでは、小森氏が共テの英語を制する秘策を伝授する。