より早く、より安全に
なおファイザー社は、Zavzpretが7月までに薬局で販売されるようになると予想しているが、価格については公開していない。
米デューク大学医療センター神経科頭痛部門のチーフであるTimothy Collins氏は、「われわれはこの薬剤が出てくるのを長い間、待っていた。片頭痛をコントロールする上で本当に有用な治療法が追加された」と喜びを表す。
FDAの承認は、「The Lancet Neurology」3月号に掲載された臨床試験の結果に基づいている。同試験では、Zavzpretを使用した人ではプラセボを使用した人に比べて、使用から2時間後の時点で痛みがなくなった人の割合が高いことが示された(24%対15%)。また、使用から2時間後の時点で最も煩わしい症状がなくなった人の割合についても、Zavzpretを使用した人の方が高かった(40%対31%)。Zavzpretの副作用として、約20%の人に味覚の変化が生じた。そのほか、鼻の不快感と吐き気なども報告された。
ニューヨークタイムズ紙によると、現時点で利用可能な他の点鼻薬に、セロトニン受容体を標的とするトリプタン系製剤があるが、心筋梗塞や脳卒中のリスクがある人への使用は禁じられている。
一方、Zavzpretは、タンパク質の一種であるカルシトニン遺伝子関連ペプチドの放出を阻害する作用を持つ。過去の研究では、片頭痛発作が生じている間には、これらのタンパク質が増加することが示されているとニューヨークタイムズ紙は報じている。米メイヨークリニック神経学教授のRashmi Halker Singh氏は、「この発見は、片頭痛発作が生じているときに何が起こっているのかについて理解を深める上で本当に役に立った、画期的な発見だったと思う」と同紙に語っている。また、点鼻スプレーは、錠剤よりも早く体内に吸収されるというメリットも有している。
Halker Singh氏は、「Zavzpretが、より多くの片頭痛患者の助けとなることを願っている。それが、最も重要なことだ」と話している。(HealthDay News 2023年3月13日)
https://consumer.healthday.com/migraine-2659587538.html
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