おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! 税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性があります。独身者と家族持ちとでは、本来、お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。今回は、独身者の家選びについて、独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

おひとりさまが実家で暮らす時のリスクPhoto: Adobe Stock

実家で暮らすなら、親の介護や相続も確認

 前回は独身者が持ち家に住む場合のメリットとデメリットについてお話ししました。今回は実家に住む場合について考えましょう。

 現役時代は、親元を離れ便利なところに住んで、老後は実家に戻って暮らすのであれば、住まいの出費は格段に抑えられます。

 しかし、長い間、別々に暮らしていた親とうまく生活できるのか、親の介護をどうするか、また親が亡くなったあとでも実家に住み続けることができるのかといった相続問題などを確認しておく必要があります。

 また、広すぎる実家や、交通の便の悪い場所などは若いうちはよいとしても、年を重ねると庭や家のメンテナンスが大変だったり、買い物や病院などに行きにくい、隣近所とのお付き合いが面倒……といったマイナス面も出てくるかもしれません。冷静に判断することが大事です。

実家暮らしのメリット
・貯蓄や退職金を老後資金に使える
実家暮らしのデメリット
・親の介護や相続でトラブルになる可能性
・家のメンテナンスに労力とお金がかかる可能性
・老後住むのに便の良いところかは確認

 *本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。