仕事とは「商品やサービスを提供することで、誰かに喜んでもらうこと、誰かの役に立つこと」です。
しかし、私たちは無意識のうちに、自分中心に考えて仕事をしてしまいがち。
仕事は自分一人では成立しません。「自分以外の誰か」がいてはじめて、仕事になります。
今回は、30代で経営者歴10年以上、『20代が仕事で大切にしたいこと』著者の飯塚勇太氏に、すべての仕事が「驚くほどスムーズに進む」考え方について伺いました。
(編集/和田史子)

他者想(他者への想像力)で仕事はうまくいくPhoto: Adobe Stock

仕事とは「自分以外の誰か」のために存在する

仕事とは何でしょうか。一言でいえば「商品やサービスを提供することで、誰かに喜んでもらうこと、誰かの役に立つこと」です。
仕事というのは自分一人では成立しません。
「自分以外の誰か」がいてはじめて、仕事になります。
このような「あたりまえすぎること」をなぜ最初にお伝えするかというと、「自分以外の誰か」のことを考えずに仕事をしてしまっている場面が、本当に多いからです。

書籍『20代が仕事で大切にしたいこと』P35より引用書籍『20代が仕事で大切にしたいこと』P35より引用

感情をぶつけても、誰も幸せにならない

誰かがミスしたときに、私がそのままイラッとした感情を相手に伝えてしまったとします。自分の感情を吐き出したことで、その瞬間だけは、私はスッキリしたかもしれません。しかし、ミスを指摘された相手が不愉快に思ったらどうでしょう。

本来すべきは「その人が次に何をすればいいのか教えて、サポートすること」だったり、「同じミスを二度としないよう、適切な言葉をかけること」だったりします。

なのに私が感情をぶつけたことで、相手も感情で受けてしまった。次にどうすべきかといった理性が失われ、「怒られた」「恥をかかされた」というネガティブな感情だけが相手に残ってしまう
これでは「次にミスしないようにする」という本来の目的は達成しませんし、誰も幸せになりません。私の初動が間違っていたということになります。

他者への想像力(他者想)を使う

「他者への想像力」を使うと、どうなるでしょうか。

ここは怒らずに、適切なサポートの言葉をかけます。相手を責めず、ミスしてしまった経緯を振り返り、「どうすれば再発防止になるか一緒に考えよう」と話すでしょう。

厳しい言葉をかけると泣いたり落ち込んでしまったりする人に対しては、「大丈夫ですよ」と安心させるような言葉を先にかけるかもしれません。そうすれば、ミスした相手も冷静に問題に向き合うことができ、二度と同じミスはしないはずです。

このように「自分以外の誰か」を頭において仕事をすれば、驚くほど仕事がスムーズに進み、あっという間に仕事ができる人になります。「他者への想像力」さえあれば、すべての仕事はうまくいくといっても過言ではありません。

※この連載では、20代のみなさんが仕事をする上で知っておいたほうがいいことをお伝えします。
(飯塚勇太著『20代が仕事で大切にしたいこと』から一部を抜粋・改変しています)

飯塚勇太(いいづか・ゆうた)
株式会社サイバーエージェント専務執行役員
1990年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
2011年、サイバーエージェントの内定者時代に、友人らと開発・運営した写真を1日1枚投稿し共有するスマートフォンアプリ「My365」を立ち上げ、21歳で株式会社シロク設立と同時に代表取締役社長に就任(現任)。2014年、当時最年少の24歳でサイバーエージェント執行役員に就任。2018年株式会社CAM代表取締役、2020年株式会社タップル代表取締役に就任(現任)。2020年サイバーエージェント専務執行役員に就任(現任)。
『20代が仕事で大切にしたいこと』が初の著書となる。