夫の年金受給開始を繰り下げれば
資金繰りがラクになる可能性大

 ご主人の年金受給額は「月間17万円の見込み」と書かれていますが、70歳まで働くのであれば受給開始を繰り下げ、年金額を増額すると良いでしょう。

 受給開始を70歳まで繰り下げれば、ご主人の年金(額面)は17万円から42%増の24万1400円になるはずです。

 またAさんも定年退職後に厚生年金を受給できます。相談文では受給額の少なさを心配されていますが、収入から判断すると、額面で月9万~10万円は受給できるはずです。

 これらを勘案すると、夫婦の年金額(手取り)は27万5000円前後になるでしょう。その前提で、老後の家計を組み立ててみてください。

 厳しい回答になりますが、今回の試算では、住宅ローンを組まずに「数年以内にマンションを買う」のは難しいことが分かりました。

「ご主人の定年退職後にマンションを買う」場合も、家計を見直さないと老後資金の目安である2000万円を確保できないのが現実です。

 ただし、今回は「最悪の場合」を想定しているので、ご主人の収入減が「思ったほどではない」可能性もあります。

 長男の学費が余ったり、長男の独立によって支出額が大幅に減ったりすることも考えられます。Aさんのアルバイトが軌道に乗り、長続きするかもしれません。

 こうした場合は、今回の試算とは異なる形になると思います。

 その際は、詳しい状況を記載して再度読者相談にお申し込みください。今回の結果は、Aさんのご希望にそぐわない内容かもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。