「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。

「ご提案はありがたいですが、お断りします」を英語でどう言う?Photo: Adobe Stock

断る系の動詞のニュアンスの違い

 何かを「断る」という意味を表わす動詞をセットで押さえよう。

(1) refuse
(2) reject
(3) decline
(4) turn down

(1) refuse

 幅広い意味の「断る」に使える語。特に、きっぱりと断る場合に使われる。

(2) reject

 refuseよりも、きっぱり断る感じが強い。文脈によっては「拒絶する」といったニュアンスでも使われる。

(3) decline

 上の2つに比べて、「丁重に断る」というニュアンスがある。特に招待や提案を断る際に使うことが多い。「断る」の他、「下落する、衰える」という意味でも用いられる。

(4) turn down

 上の3つよりもカジュアルで口語的な響きがある。

 このように、すべて「断る」という意味で使われるが、語調やニュアンスが多少異なると理解しておこう。

 特筆すべきこととして、refuseとdeclineは、refuse/decline to do ~~することを断る)のように後ろにto doを続けることもあるが、reject、turn downは普通この形では使わない。

 また、rejectは依頼・提案・申し込みなどを「ぴしゃりと断る、はねつける」というニュアンスがある。よって、招待やお誘いなど「はねつけるように断る」わけではないものに対しては、あまり使わない。

(1) refuse

John refused the offer.
ジョンはそのオファーを断った

He refused to comment on the matter.
彼はその件についてコメントすることを拒否した

The bank refused me a loan.
銀行が私への融資を断った
◆ 〈refuse+A+B〉で「Aに対してBを与えるのを断る」

(2) reject

The board rejected my proposals.
取締役会は私の提案を却下した

I don’t know why my application was rejected.
どうして私の申請が断られたのか分からない

He was rejected by his parents for being gay.
彼は同性愛者であることを理由に両親から拒絶された
◆ rejectは「~に愛情を与えることを拒否する」という意味でも用いられる

(3) decline

Thanks for the offer, but I’m afraid I have to decline.
ご提案はありがたいのですが、お断りしなければなりません

The princess declined several proposals of marriage.
お姫様は、結婚の申し出をいくつも断った

He declined to comment on the matter.
彼はその件についてコメントすることを差し控えた

(4) turn down

We had to turn down the invitation.
私たちはそのお誘いを断らなければならなかった

I asked her out, but she turned me down flat.
彼女をデートに誘ったが、きっぱりと断られた
◆ 文脈から「何を断るのか(ここではデートの誘い)」が明らかな場合はturn me downのように〈turn+人+down〉の形を使うことも多い

The bank turned me down for a loan.
銀行は私がローンを組むのを拒否した
◆ 〈turn A down for B〉で「AがBを得るのを拒否する」

□ board(名)取締役会
□ application(名)申請
□ invitation(名)招待
□ flat(副)きっぱりと

(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)