ブラジル代表の親善試合は“ビジネス”
マッチメイク料は3億円

 ブラジルはワールドカップで史上最多の5度の優勝を誇る王国のブランド力を生かして、アウェーもしくは中立地での国際親善試合を外貨を稼ぐためのビジネスにしてきた。

 例えば国立競技場で日本に1-0で勝利した昨年6月の一戦では、ブラジルサッカー連盟との間に入っていた代理店を通して、マッチメイク料としてJFAが日本円で3億円を支払ったとされる。カタール大会へ向けた最高の強化になると、JFAとしても代理店からのオファーを受諾した経緯がある。

 今年3月の国際Aマッチデーでは敵地タンジェに乗り込み、カタールワールドカップで4位に躍進したモロッコ代表と対戦して1-2で敗れている。6月の日程は未定だが、9月から始まる次回ワールドカップの南米予選を前に、敵地や中立地で再びビジネスが展開されるのは間違いない。

 カタールの地で9大会、実に28年ぶりにワールドカップを制したアルゼンチンは、3月の国際親善試合を国内ファンへの凱旋(がいせん)お披露目の舞台に充て、パナマ、キュラソー両代表に快勝した。

 一転して6月の国際Aマッチデー期間は、カタール大会後に「世界チャンピオンチームの一員としてプレーできる状況を、もう少しだけ楽しみたい」と代表続行を表明したスーパースター、リオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)を前面に押し出したビジネスを優先させる。

 中南米各国をカバーしているメディア「Infobae」はこのほど、アルゼンチンが6月に中国で北中米カリブ海のコスタリカ、南米のコロンビアもしくはエクアドルと計2試合を戦うと報じた。

 中国は試合会場を提供するだけで、レベルが劣る中国代表は参加しない。同メディアは「メッシという選手がピッチ上にいるだけで、主催者にとっては大きな魅力になる」と中国側のメリットを報じ、さらに「アルゼンチンサッカー協会は億万長者のオファーを受諾した」と続けた。

 要は中国側が破格のビッグマネーを用意し、メッシを擁するアルゼンチンを招待する形になる。仰天プランが実現すれば、日本にとって10年10月を最後に遠ざかっているアルゼンチン戦だけでなく、カタール大会で敗れた借りを返すコスタリカ戦も6月シリーズの選択肢から除外される。

 となれば6月15日に豊田スタジアム、同19日にはパナソニックスタジアム吹田と、昨年末の段階ですでに試合会場が決まっている6月シリーズの対戦相手はどこになるのだろうか。