森保ジャパンの対戦相手で
有力候補の国は?

 最新のFIFAランキングで20位の日本よりも上位にランクされていて、なおかつ南米かアジア、オセアニア大陸に所属する強豪国となると、1位のアルゼンチン、3位のブラジル、そして3月に対戦したばかりの16位のウルグアイと17位のコロンビアだけとなる。

 FIFAランキングはあくまでも目安にすぎない。それでも森保監督の「できる限り強いチームを」という要求を満たす上で万策が尽きたか、と思われた矢先に北中米カリブ海のエルサルバドル、南米のペルー両代表との対戦が合意間近だと日本のスポーツ紙が相次いで報じた。

 いずれもエルサルバドル、ペルー両国の地元メディアの報道を引用したもので、元となった記事はともに「日本と韓国が6月の対戦相手として内定した」と伝えている。日本と韓国がセットとなっている点こそが、国際親善試合をマッチメイクする上での大きなキーポイントとなる。

 国際サッカー連盟(FIFA)は親善試合と公式戦を合わせた国際Aマッチに関して、同一の国際Aマッチデー期間内では同じ大陸内で臨まなければいけない、と規定している。例えばある代表チームが来日して日本代表と戦った場合、もう1試合もアジア大陸内で戦う必要性が出てくる。

 日本の3月シリーズをあらためて振り返れば、日本とウルグアイが戦った3月24日に韓国対コロンビア、日本とコロンビアが戦った同28日には韓国対ウルグアイが韓国国内で組まれていた。昨年6月に来日したブラジルの場合は、日本戦の4日前にソウルで韓国戦に臨んでいる。

 来日する対戦相手の立場になれば、もう1試合を南半球のオーストラリアやイランなどの中東勢と戦うには移動時間があまりにもかかりすぎる。かといって中国ではチームの強化にならない。ともにカタール大会でベスト16に進んだ日本、隣国の韓国と戦うツアーならばすべての面で理にかなう。

 モロッコは3月シリーズで、ホームでブラジルに勝利した後にスペイン・マドリードでペルーと引き分けている。ヨーロッパと北アフリカのように、地理的に極めて近い国同士での開催ならば例外が認められるためで、極東に位置する日本の場合、近隣に他大陸の強豪国は存在しない。

 実現すれば森保ジャパンでは初対戦となるペルーは、最新のFIFAランキングで日本より一つ下の21位につける。カタール大会には出場していないものの、過去にはワールドカップに5度出場し、70年メキシコ大会でベスト8、78年アルゼンチン大会では2次リーグへ進出した実績を持つ。

 対照的にエルサルバドルのFIFAランキングは75位で、2度出場したワールドカップでは0勝6敗と一つも勝てていない。森保ジャパンとは19年6月に対戦して0-2で敗れているが、ネーションズリーグではアメリカとホームで1-1と引き分け、アウェーでは敗れるも0-1と食い下がっている。

 エルサルバドルの名前が報じられて以来、ネット上では対戦に値しないといった批判的なコメントも多く見られた。しかし、カタール大会で日本が守備を固めたコスタリカに敗れた事実を忘れてはいけないし、韓国とのセットでなければマッチメイクが実現しない可能性も大きい。