自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

頭のいい上司が「言いづらいこと」を伝えるとき絶対にやらないことPhoto: Adobe Stock

「はっきり言うけど」だけで終わらせない

強いパンチラインを簡単に生み出すためのテクニックがあります。

枕詞を使えばいいのです。

たとえば、「結論から申し上げますと」。冒頭でこの枕詞を使うと、相手も「あ、いきなり大事なことを喋るんだ。何だろう」と聞くためのスイッチが入りやすくなります。

他にも「単刀直入に言うけど」「ダイレクトな言い方をすると」などの枕詞が強いパンチラインを生むマジックワードです。

日常のコミュニケーションではあまり聞かない言葉なので、言われたほうはドキッとします。

私の場合、「言いづらいけれど相手の印象に残したいこと」を伝えるときにも、この枕詞を使うことがあります。

たとえば、「はっきり言うけど、最近、君のパフォーマンスが低い」。

こう言うと、相手はすごくショックを受けるはずです。

しかし、そのあとにすぐ、柔らかく丁寧にフォローと説明をしていきます。

「いままでの様子を見ていると、君はすごく仕事ができているし、期待もしている

営業は誰よりも得意なのに、この部分だけができてないじゃない。

他はちゃんとできているのに、ここで損するなんてもったいないよ

ここをしっかりやれば、君は会社のトップに行けるのに。ここだけ頑張ろうよ」

このように説明していくと「パフォーマンスが低い」と言われたときの感情的なショックはだんだん和らいでいきます。

そして、感情的なショックが和らいだあとには、「パフォーマンスが低い」という言葉は明確な指摘として記憶に残るので、相手がやる気になれば、改善してくれる可能性は高くなります。

このように、言いづらいことほど最初にパンチラインとして強く打ち出し、そのあとの言葉でサポートしていくと、指摘や指導も効果的です。

ただし、パンチラインの言いっぱなしで終わってしまい、そのあとの丁寧なフォローがないと、相手にも負の感情が残るだけで逆効果になってしまいます。

使い方を間違えるとパワハラにもなりかねないので十分に注意してください。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)