ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものだ。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
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「身内」にこそ気を遣え
「最近、冷たい」
「大事にされていない気がする」
「なにをしても「ありがとう」と言われない」
「自分なんていなくても構わないんだ……」
まるで恋愛相談みたいだけれど、これは恋愛にかぎった悩みじゃない。
チームのメンバーがリーダーに対して、こういう不満を抱くことは少なくない。
モチベーションを下げてはいけない
「扱われ方」が雑だと感じたメンバーは、仕事の質が大きく下がる。
だからメンバーに「自分は大事にされている」と感じさせるのも、リーダーの大事な仕事になる。
どんなに忙しくても、余裕がなくても、決して「ないがしろにされた」と思わせてはいけないのだ。
思ったことはきちんと伝える
「大事にされている」と感じてもらうためには、「あなたがいてくれてよかった」と伝えることが大事になる。
これは思うだけじゃなく、ちゃんと伝えないと意味がない。
それを怠ると、メンバーは勝手に「お前なんかいてもいなくても構わない」というメッセージを受けとってしまう。
そしてそんなメッセージを受けとると、だれだってやる気を失う。
人は「自分がいなきゃ」という存在価値を感じてこそパワーを出すのだから。
「フィードバック」をしていますか?
このとき有効になるのが「フィードバック」だ。
そのメンバーの働きがチームにどれくらい寄与しているか。
その人がいたからこそ、生まれた成果はなにか。
たとえば「君が○○してくれたおかげで」と、言葉で労をねぎらえば、そこではじめてメンバーは「役に立ててよかった」「自分がこのチームにいたからこそ、この結果になったんだ」と誇りに思える。
「助かったよ」
「さすが!」
「あれはファインプレーだった」
そんなひと言、ふた言でもかまわない。
メンバーの「いいところ」を見つける
だからリーダーは、メンバーの「いいところ」を見つけるのがとても大事だ。
苦手なことやまわりに比べて劣っているスキル、能力ばかりに注目しても、人は伸びない。
むしろ潰れてしまう。
一方で、「お前はこの部分が俺より断然優れているからよろしく頼むよ」と言えば、そのメンバーは100倍くらい気合いが入る。
チームのパフォーマンスは、ポジティブなフィードバックにかかっているのだ。
褒められたことは「記憶」に残る
これは余談だけど、僕を最初に褒めてくれたのは、おぎやはぎの矢作さん。
こうして15年以上経ったいまもまだ覚えているくらい、めちゃめちゃうれしかったし自信が持てた。
褒められればそれは必ず記憶に残る。
そういう思いをリーダーには持ってもらいたい。
※本書には、この他、多くの仕事術が収録されています