5つのまちがい
(1)「学校に行きなさい」と言う

 まず一つ目は「学校にいきなさい」ということです。

「えっ、学校に行きなさいって言ってはだめなの?」と多くの親御さんが驚くことでしょう。

 でも、ちょっと考えてみてください。たとえば42度の熱があり、死ぬほどつらい時に「仕事に行け」と言われたら、あなたはどんな気持ちになりますか?

 きっと「私は愛されていないんだ…」と思うでしょう。そしてますます元気をなくすでしょう。実際、熱はなくても学校に行けない子どもは、それくらいつらいのです。

 絶対に守らなければならないのは、「元気になる→学校へ行く」という順番。

 その逆では決してありません。もし、元気になる前に無理に学校へ行かせようとすれば、親は子どもの信頼を失います。子どもを元気にすることに、まずは集中するべきです。親の「行かせたい」気持ちを押し付けるのではなく、子どもの「行きたい」気持ちが今どのくらいかを読み取っていてほしいのです。

 子どもの行きたい気持ちを感じたら、「学校に行きたいなら、応援するよ!」「学校に行くときは手伝うね!」といった声がけをするといいでしょう。

 くれぐれも焦りは禁物です。心に不安があるうちは、未来のことを考えるのは苦痛でしかありません。まずは子どもを安心させることが第一。

 そして親御さん自身が生きがいを持って、毎日楽しく生活していることが大切です。そうすれば子どもも将来、同じようにできるようになるでしょう。

5つのまちがい
(2)勉強の遅れを心配する

 子どもが学校に行かない間、親として気になることの一つに、やはり勉強のことがあるでしょう。

 親の心配は尽きず、仮に学校に復帰できたとしても、不登校の間に生じた遅れは、悩みの種となりがちです。