中国で飲み会は友人同士が楽しくやる

 複数の中国人留学生が驚くのは、“スーツ姿のネクタイ族”が不衛生な地面の上で酔いつぶれている点にある。ネクタイ族という部分に日本人の昼と夜のギャップを見出すようだ。

 東京大学に留学中の広東省出身の李さん(仮名)は、「自分の故郷では地面で泥酔している“ネクタイ族”など見たことがない」と言い、次のように話してくれた。

「中国で行われる飲み会というものは、親しい友人が集って楽しむためのものです。もし飲み過ぎても友人が介抱し、見捨てることはありません。逆に、孤独に地面に伏している日本のネクタイ族の酔っ払いは、会社の飲み会に付き合わされたことなどが想像されます。付き合わされた上に見放される…、言ってみれば日本の企業社会の犠牲者なのかもしれません」

 コロナ前の日本では、大学生サークルによる新歓コンパや飲み会などの場で、急性アルコール中毒を起こし、救急搬送される事例が度々報じられていたが、前出の吉田さんも「職場やサークルなどの“付き合い”で参加する飲み会など、日本は特異な“飲み文化”があるんでしょうね」と話す。

 日本の泥酔サラリーマンについてはこんな評価もあった。湖北省武漢市出身の候さん(仮名)はこう語る。

「武漢にも酔っ払いはいますが、中には大声で叫んだり、けんかしたりする者もいて手が付けられません。それに比べて、酔っ払っても一人で場所を探して寝る日本人は、自制心が非常に強いといえるのではないでしょうか」