「レアル・マドリード復帰」待望論が出るも
久保は自ら「残留宣言」

 久保のあずかり知らない契約状況に、シーズン中盤以降で演じてきた大活躍が加わったからか。マドリードの地元メディアを中心に「久保を1年で買い戻すべきだ」という声が広がった。しかし、自らの活躍でマドリードを撃破した2日の試合後の記者会見で、久保は自ら残留を宣言している。

「当初はラ・レアル(ソシエダの愛称)の人たちが、僕のことを必要としていないのでは、と心配した時期もありました。でも、いまはみんなが僕を必要としてくれている。この状況がとても幸せだし、僕は来シーズンも100%、チュリウルディン(同じくソシエダの愛称)の選手です」

 残り4試合となった今シーズンのラ・リーガ1部の戦いで、ソシエダは来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を手にできる4位をキープしている。これが一転して5位でのフィニッシュとなれば、カテゴリーがひとつ下になるUEFAヨーロッパリーグへと回る。

 最高峰の戦いとなるチャンピオンズリーグは、久保にとって未知の舞台となる。そのなかで「22歳になるシーズンには、そこでプレーしたい」とサッカー人生の青写真を思い描いてきた。ようやく巡り会えた最高のクラブで、自らの力で夢を具現化できるチャンスが目の前に広がっている。

「子どもの頃はチャンピオンズリーグを見るためにテレビをつけていたし、テーマ曲もよくかけていた。チャンピオンズリーグでプレーするためのステップを踏み出したい」

 自身がゴールを決めた8試合では全勝と不敗神話も継続させている久保は、ソシエダで迎える来シーズンをにらみながら、こんな言葉も残している。5位のビジャレアルとの勝ち点差は5ポイント。ソシエダにとっても10シーズンぶりとなるチャンピオンズリーグ出場へ。20日(日本時間21日)の次節では、すでに優勝を決めているバルセロナのホーム、カンプノウに乗り込む。