開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。VAMOS代表の富永雄輔氏は、最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』で、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」を提唱し、圧倒的な支持を集めている。本稿では、富永氏が登壇したオンラインセミナー(2022年10月開催)で、参加者から出た質問への回答を紹介する。

子どもの集中力を伸ばすために「家庭でできる1つのこと」Photo: Adobe Stock

Q. うちの子ども、集中力が全くありません。

質問者:小学校低学年の子どもを持つ保護者

――私の子どもは、全くと言っていいほど落ち着きがありません。注意力散漫で、机に向かったと思ってもすぐに別のことをしてしまい、勉強に集中できません。子どもがなかなか勉強に集中できないのを見ていると、私自身イライラしてしまうこともあります。子どもの集中力を上げるためにはどうすればいいでしょうか?

子どもは落ち着きがないのが当たり前と思ってください

富永雄輔(以下、富永):私も日頃から多くの小学生を見ていますが、イライラしてしまう気持ちはとてもよくわかります。

 でも、あなたのお子さんだけでなく、他のお子さんも皆そう。たいていの子どもは、落ち着きがありませんし、最初から集中力がある子どもなんて、ほとんどいません。

 ですので、親の気持ちの持ち方としては、第一に「子どもは落ち着きがなくて当たり前なんだ」と思ってください。心配する必要はありません。

短い時間から訓練していってください

富永:集中力が元々の性格や素質のように考えていらっしゃる方も多いですが、ある一定の訓練をすることで集中力を伸ばしていくことはできます。

 まずは短い時間から始めることが大事です。

 中学入試は最大でも1科目約50分です。入試後半の理科や社会では、30分の試験時間を設定している学校も多いです。

 6年生のピーク時でも、それくらいの集中力が限界なんです。低学年のお子さんが、家庭で30分の勉強を続けるのは、簡単なことではありません。

 そこで「こまめに時間を切る」というのがおすすめです。

 10分や15分など短い時間で、計算問題や漢字の練習などをやらせてみてください。

 それでも集中できないお子さんの場合、もっと短くて、5分でもOKです。

 短い時間で、集中力を持たせる訓練をしていってください。できるようになったら、焦らず、徐々に時間を伸ばしていけば、少しずつ集中力が持続できるようになっていきます。