ルノーは、このロシア事業からの撤退を含めてBEV分社化など思い切った事業構造改革に乗り出してきている。
そこには、EVシフトなどから欧州の自動車産業での生き残りに向けた競争が進んでいるという背景がある。ルノーとしても、フランスでのライバルだったプジョーグループが「ステランティス」として生まれ変わり新たな方向に踏み出しているという圧力もあり、背水の陣で事業改革に臨んでいるのだ。
これが日産との資本関係の見直し合意にも結び付いたわけだが、ルノーと日産の新たな位置付けに、三菱自がさらにどう関わっていくのかについても、依然大きな関心事項だ。ここには、当然3社の業績動向が大いに関係してくる。
「弱者連合」とも揶揄(やゆ)されて3社とも赤字を余儀なくされた状況から脱却する動きを見せる中で、日仏3社連合の関係の見直しが「新たな事業の推進力となる」のか、3社それぞれの思惑が注視されよう。
(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)