打つ手がなくなりいったん帰宅して考え直そうと思い、愛美さん宅を出ました。ふと見ると愛美さんのお宅前には、マンションやコンビニがありました。

苦労して見つけた防犯カメラの映像
車で去る対象者、運転席には女性の影が

 付近にいくつか防犯カメラが設置されているのでは?と思い、私は周辺のお店やビルのオーナーに事情を話して協力を依頼しました。しかし連絡を取ることも難しく、そして、いざ連絡が取れて丁寧に説明しても、警察の依頼があれば協力できると言われたりと、なかなか協力を得るまでには至りませんでした。

 23番目に協力を依頼したコンビニの店長が、時々子連れで利用していた愛美さんや対象者のことを覚えており、カメラの映像を見せていただけることになったのです。

 早速、家出した日の映像を見てみると、対象者が家を出て、コンビニの前を通り過ぎる様子が映っていました。歩いていった方向はわかったので、その延長線上にある、防犯カメラが設置されていそうなお店やビルのオーナーに事情を話して協力を依頼しました。いくつかのマンションやテナントビルのオーナーが協力してくれました。

 映像を調べていった結果、自宅を出て2時間後くらいに、200メートルほど離れたテナントビルの前で、白い軽自動車の助手席に乗り込む対象者の姿が写っていました。運転席には女性が乗っているようですが、誰なのか判別はつきませんでした。

 私はその車のナンバーを特定し、オーナー情報を調査しました。女性は、不貞相手ではないようで、対象者や愛美さんと同じ中野姓で、東京に住んでいる対象者の姉であることがわかりました。愛美さんは姉の存在を知ってはいましたが、会ったことも、東京に住んでいることも知りませんでした。対象者は何かしらの手段で姉に連絡を取り、迎えにきてもらったと推測しました。