東京理科大学の大学生だったとき、夏休みの暇つぶしで突如「そうだ、投資をしよう!」と思い立った。証券口座を開設して、家庭教師のアルバイトで稼いだ貯金をほぼ全額投入。知識ゼロ・経験ゼロの状態から投資をしてみたものの、わずか2週間で全額、溶かしてしまった……。そこで投資を諦めず、本腰を入れて勉強。ベンチャー企業に入社してから本領を発揮して、1銘柄だけでも億単位のリターン(売却益)を得るなどして、入社4年で独立。そこで得た投資の最終結論は、常識の真逆をいく「小型株集中投資」という手法だった。その投資法を1問1答のクイズ形式で楽しみながら学べる『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)の著者が、アマチュアだからこそプロに勝てる“儲かる株の見つけ方”を基礎の基礎から応用まで解説する。

いまだに「投資なんてギャンブルだ」と思っている人に言いたいことPhoto: Adobe Stock

自分は周りの5人の平均理論

【前回】からの続き いまだに「投資はギャンブル、怖いからやらない」と言って憚(はばか)らない人をたまに見かけますが、私に言わせれば、それはただの思考停止です。そういう主張は、

包丁は指を切るリスクがあるから使わない
ガスは爆発するリスクがあるから使わない
電気は感電死するリスクあるから使わない

とリスクばかりフォーカスして、せっかくのメリットを享受する機会を全面的に放棄しているようなものです。

包丁は危ないから使わない?

投資のリスクを回避して、メリットを享受するには、包丁やガス、電気と同じように、正しい使い方を知ることが欠かせません。

包丁と同じようにカッターが危ないからといって、自分の子どもに使わせないようにするでしょうか?

正しいカッターの使い方を教えて、実践しながら学ばせるのではないでしょうか? 投資も、それと同じことです。

素手で野菜を刻むようなもの?

性質や使い方をちゃんと理解して、正しく使えば、投資は資産を増やしてくれる有益なツールになります。

もちろん、性質や使い方もちゃんと理解しようとせず、いきなり振り回すように使ったら、リスクばかりが高まります。

資本主義の世の中で投資をしないで生きるのは、もはや包丁を使わずに料理をするようなもの。包丁を使ったら指を切ってしまうから、素手で野菜を刻もうとするようなもので、非効率極まりないのです。

自分が儲ける? 業者を儲けさせる?

世の中には自分で包丁が使えない(自分で投資ができない)人のために、AI(人工知能)を使った資産運用サービス「ロボットアドバイザー(ロボアド)」や投資信託などといった金融商品がたくさんあります。

丸投げで投資を委託できるかわりに、たとえ預けたお金が減っても、損失を被るのはお金を預けた人で、投資商品を提供した会社はしっかり手数料で儲けます。

そうした意味では、証券会社や銀行が一生懸命売っている金融商品は、投資家を儲けさせる商品ではなく、売っている側が儲けるための商品といえます。

3年で資産をひと桁増やす投資法

では、個人が投資をしようとしたら、どうすればいいのでしょうか? 投資目的によっても異なりますが、私自身は「3年で資産額をひと桁増やすための投資」をオススメしています。

身も蓋もないことをいうようですが、投資で毎年7~8%資産が増えたとしても、堅実とはいえ、人生にたいした変化が生じません。しかし、3年で資産額をひと桁増やすことができれば、人生は変わります。

そう考えると、個人投資家にとっての最適な投資戦略は、「1年で2~3倍になりそうな小型株を見つけて集中投資をする」ことだと個人的には断言します。

そういうとリスクばかりが取り沙汰されそうですが、正しい知識と使い方を身につければ、一般的に推奨されている長期分散投資よりもリスクは低いとさえいえます。

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)の著者によるものです。