日経平均がバブル後最高値を更新した。だが、「将来のお金の問題が不安だ」「投資が大切だと漠然とわかっているが、なかなか行動に踏み切れない」「貯金や投資を始めてはみたものの、自分の方法が正しいかどうか確信が持てない」──そんな悩みを抱えていないだろうか? そんな人に朗報がある。
全世界350万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルが「ニックのように、データの真の意味を理解できるデータサイエンティストでありながら、説得力のあるストーリーを語れる人はまずいない。絶対読むべき一冊だ」。全世界1000万部突破『Atomic Habits』著者ジェームズ・クリアーが「お金に関する価値ある知恵と実践的なアドバイスが満載」と強力ダブル推薦する注目書がついに日本上陸。
全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。
全米屈指のデータサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済の方法を初公開。本稿では、本書から一部を抜粋・編集しながら、「充実感と幸福感が同時にアップするお金の使い方」について見ていこう。

【全米屈指のデータサイエンティストが教える】「充実感」と「幸福感」が同時にアップするお金の使い方Photo: Adobe Stock

「充実感」を第一に考える

 本書では、罪悪感につきまとわれず、安心してお金を使えるようになる新しい考え方として2つ紹介した。

1 2倍ルール
2 「充実感」を第一に考える

 以前、この連載でも、「2倍ルール」について触れた。

 今回は、「充実感」を第一に考えるについて紹介しよう。

 お金を安心して使うために大切なのは、充実感が得られるお金の使い方を優先させることだ。

 一時的な楽しさではなく、いつまでも心を豊かにし続けてくれる充実感に目を向けるのだ。

 たとえば、フルマラソンを完走するのは必ずしも楽しいことばかりではない。

 練習もしなければいけないし、走っている最中にも苦しさを味わう。

 でも、完走できれば大きな達成感や充実感が得られる。

 もちろん、「ハッピーなお金の使い方をするな」というわけではない。

「幸福感」がアップする
お金の使い方

 書籍『Happy Money: The Science of Happier Spending(ハッピーマネー:幸せなお金の使い方の科学)』(Elizabeth Dunn & Michael Norton著、Simon & Schuster、未邦訳)には、数々の研究によって明らかにされた、全体的な幸福度を高める5つのお金の使い方が記されている。それらは次のとおりだ。

・体験を買う
・自分のために(たまに)贅沢をする
・時間を買う
・前払いする(例:旅行費用の全額を前金で払う)
・人のために使う

 このようなお金の使い方をすると、幸福感が高まりやすい。

 だが、このアドバイスも万能ではない。

 最高の体験にお金を払い、世界を旅して自由な時間をすごしても、それだけで完全に心が満たされるとは限らない。

どうすれば
「充実感」がアップするか?

 では、どうすれば充実感を高められるか?

 これは簡単に答えられる質問ではない。

 作家のダニエル・H・ピンクは著書『モチベーション3.0――持続する「やる気!」をいかに引き出すか』(大前研一訳、講談社)の中で、「自律性(自主的であること)」「熟達(技能を向上させること)」「目的意識(自分より大きな何かにつながること)」が、人間のモチベーションと満足感にとって重要だと論じている。

 この3つは、お金の使い方を考えるうえで便利な基準になる。

 たとえば、毎日、スターバックスでコーヒーを買うのは無駄だと思うかもしれない。

 だが、それによって仕事で最高のパフォーマンスを発揮できるなら、十分な価値がある。

 ピンクのモチベーション理論に当てはめれば、この場合、毎日のコーヒーは職業上の熟達度を高めるのに役立っている。

 同様に、自律性や目的意識を高めるためにお金を使う方法も、いくらでも探せるだろう。

本当に難しいことは?

 突き詰めれば、お金は自分が望む生活を実現する道具であるべきだ。

 これはとても重要なポイントだ。

 本当に難しいのは、お金の使い方ではなく、人生で本当にほしいものが何かを見つけることなのだ。

 自分にとって大切なことは何か?

 こんな生き方はしたくない、と思うものは何か?

 どんな価値観を世界に広げたいか?

 こうした問いへの答えがはっきりすれば、お金を使うことが簡単になり、楽しくなる。

何を買うかではなく、
「どんな基準」で買うか?

 つまり重要なのは、「何を買うかではなく、どんな基準で買うか」なのだ。

 罪悪感が生じるのは、何かを買うからではなく、その買い物を自分なりに正当化できないからだ。

 何かを買う正当な理由がなければ後悔する。

 どれだけ言い訳しても、自分にウソはつけない。

 買い物を正当化する理由を探すには、それが長続きする充実感につながるかどうかを考えるといい。

答えが「YES」なら、その買い物をすることで自分を責める必要はない。

 答えが「NO」なら、他にお金の使い道はないか考え直してみよう。

(本稿は『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集したものです)