新料金プランの成否で
ドコモショップの命運が決まる

 ドコモにとっては、販売チャネルであるドコモショップを残すのかそれとも縮小するのかは、経営にとっての重要課題です。

 詳細は、先月に私が寄稿した『ドコモと三菱UFJがエグい値上げ決行!「IT弱者切り捨て型」本格到来の必然』という記事に譲りますが、ドコモショップでの契約料をエグいと思えるほど高くすることで、利用者のドコモショップ利用を減らそうとしているのではないかと私は推測しています。それをムチだとすれば、今回の価格設定はアメに相当します。

 つまり、ドコモショップでイルモを販売する際に、

「ドコモ光に切り替えていただければ、スマホ代が業界最安値でドコモ品質のスマホ回線が使えるようになりますよ」

 というようなセールストークで、サービスのアップセルを行わせようとしているのです。

 そしてそれに成功すれば、ドコモショップはドコモにとって重要な販売チャネルとして残ることができますし、できないのであれば経営陣はドコモショップ縮小を決断できるようになります。

 このように他社との価格競争を一見避けながら、ある条件下ではものすごく価格競争力のある価格表になるという点が、今回のドコモの新価格戦略のポイントです。さらに、その可否によって販売チャネル維持か縮小かの判断ができるというのが、もう一つのポイントとなるわけです。

 最後に一言付け加えれば、このようにドコモショップに来て説明してもらって初めてその威力がわかる価格表なのですから、別にネーミングがわかりにくくてもいいのです。わからない人には、そのままアハモやギガライトを使い続けてもらえればいいのですから。