頑張っても成果が出ない」「思うように考えがまとまらない」「他人からいつも評価されない」と悩む方は多くいます。その悩みを解決するために「個人のセンス」も「やみくもな努力」も必要ありません。人に認められている「優れた考え」から自分の脳内に「再現性のある回路」をつくればいいのです。『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』の著者、クリエイティブディレクター中川諒氏による「いつも結果を出す人」の秘伝の思考技術を紹介します。

「三日坊主の人」でも1年以上欠かさず「やりたいこと」を継続できた、たった一つの理由Photo: Adobe Stock

やりたい行動に名前をつけて「企画」にする

習慣を変えると人生が変わる」という言葉を、みなさんも一度は聞いたことがあるでしょう。

かの哲学者アリストテレスも「人は習慣によってつくられる」と言いました。

また米国デューク大学の研究によると、わたしたちの日常の行動の約4割は、その場で行われた決定ではなく習慣によって選択されているそうです。

習慣化することの大切さは、きっと誰もが頭では分かっています。

しかしほとんどの人が、何かを継続しようとして習慣化できずに挫折した経験があるのではないでしょうか?

わたしにもたくさんあります。習いはじめたクラシックギターは、部屋で10年以上ほこりをかぶっています。

ぽっこりおなかが気になって行きはじめたジムは10kg体重を落とした時点で行かなくなり、今では15kg増えています。

そんなわたしが、1日も欠かさず続けられていることがひとつあります。それが「#自撮り修行」です。

「1年間毎日自撮りをしています」と言うと大体の人に驚かれますし、自分自身が一番驚いています。

1年以上毎日何かひとつのことを継続できたのは、人生で初めてのことでした。

2009年に英国ロンドン大学が行った研究では、人は何かを習慣化させるために平均66日必要だという結論が出たそうです。

この実験では水を毎日飲むという簡単なものから、毎日運動をするなど幅広い行動の習慣化を調査しました。

その結果、習慣化には最短で18日、最長で254日かかったことから、平均66日という数字が導き出されています。

わたしの「修行」は66日どころか、もうすぐ2年に到達しようとしています。

ここまで続いたのは、習慣化するために自分なりの「ある工夫」があったからでした。
それは「行動の企画化」です。

毎日30分運動するなど、「毎日○○をする」という行動だけ決めても続かないのが我々人間です。だからその行動に名前をつけて企画化してしまうのです。

「いや、名前をつけたって同じように続かないよ」

そう思われた方もいるでしょう。

しかし、行動に名前をつけると、その行動への心理的ハードルが下がるのです。

(本記事は中川諒著『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』から抜粋し、一部を改変・編集したものです)