行きすぎた損得勘定は
人に見透かされる

 あるいは、とにかくお金になる仕事にだけ飛びつくとか、常に報酬を求めるという人も少なからず見受けられます。

「いまの時代、そうじゃないと生きていけない」という人もいますが、やはり、お金だけじゃなくて、声をかけてもらったら、自分ができることなら「でき得る限り尽くす」という姿勢を持ち続けたいものです。

 もちろん、打算や損得勘定は誰にも多少はあるものです。それがまったくない聖人君子なんて、この世に存在しないかもしれません。

 また、現実社会、とくにビジネスシーンでは、損得勘定を考えて行動しなければいけないときもあるでしょう。でも、それに“支配”されてしまったら終わりです。なぜなら、邪な下心や私利私欲の気持ちを隠しきることはできないからです。

 最初のうちはなんとか取り繕っていても、どうしても言動に無理が生じてしまいます。そしてやがて、化けの皮がはがれ、「ああ、この人は何か見返りが欲しくて近づいているんだな」と見透かされてしまいます。

 そしてその瞬間、相手は悪印象を抱き、サッと離れていくのが世の常です。そればかりではありません。

 最悪の場合、「あの人は信用できない」という風評が立ってしまうかもしれません。「喜ばれる存在になる」どころの話ではありません。

 そんな失敗をしないためには、行きすぎた損得勘定をやめることです。

 誰にでも敬意を払い、感謝の気持ちを持って、公平、平等に接することです。