1万件を超える「幼児から高校生までの保護者の悩み相談」を受け、4000人以上の小中高校生に勉強を教えてきた教育者・石田勝紀が、子どもを勉強嫌いにしないための『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』を刊行。子どもに失敗してほしくない、教育熱心な人ほど苦悩を抱える大問題への意外な解決法を、子育てを「動物園型」「牧場型」「サバンナ型」にたとえて解説します。
子育てについて、夫婦で話し合っておこう
子育ての悩みの裏には、夫婦の問題が隠れていることも少なくありません。
私が主宰する「Mama Cafe」では、カフェスタイルのママたちの勉強会を7年以上続けていますが、その場でもよく「夫問題」が話題になります。
私も2人の子どもを持つ父親なので耳が痛いこともありますが(笑)、その多くは「夫と子育ての考え方が異なる」「中途半端に口出ししないでほしい」というものです。
また、夫が子どもに対して高圧的で、ちょっと無視されたり口答えされたりすると、逆ギレするという話もよく聞きます。
これは、男性のほうが上下関係の厳しい縦社会で働いているケースが多く、プライドも高いため、子どもを下に見てしまうからだと思います。
夫をなんとかしたいという声は多いのですが、大人になると、人はそう簡単には変わりません。そこで私は、「男性は大人になっても精神年齢が5歳くらいで止まっていると思って、子どもと同じように接するといいですよ」と話しています。
具体的には、「ありがとう、うれしい、助かった、いいね」といったポジティブな声かけをして、ご主人の自己肯定感を高めてあげるのです。
夫婦の役割分担を話し合う
夫婦の問題で、もう1つアドバイスしていることは、子どもの教育のなるべく初期段階で、よく話し合っておくことです。
一般的には、母親のほうが教育熱心なご家庭が多いので、母子だけで受験態勢に入ってしまうと、父親は途中でよけいなことを言って邪魔できなくなります。
実際、「Mama Cafe」の参加者も、ご主人は受験にコミットメントしていないご家庭が多く、あえて「旦那さんには口出ししてほしくない」とおっしゃる方もいます。そこまで母子態勢を貫き通す場合も含めて、子どもの教育をどうするか夫婦で話し合い、お互い納得できる役割分担をしていれば、夫婦間の問題はほとんど解消できるように思います。
*本記事は『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』から、抜粋・構成したものです(次回へ続く)。