1万件を超える「幼児から高校生までの保護者の悩み相談」を受け、4000人以上の小中高校生に勉強を教えてきた教育者・石田勝紀が、子どもを勉強嫌いにしないための『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』を刊行。子どもに失敗してほしくない、教育熱心な人ほど苦悩を抱える大問題への意外な解決法を、子育てを「動物園型」「牧場型」「サバンナ型」にたとえて解説します。

子どもを伸ばすために、親がとるべき意外すぎる行動とは?Photo: Adobe Stock

子どもの行動範囲を広げる

 親と子のバランスで、子どもが判断できることが増えれば増えるほど、行動範囲が広がっていきます。

 その際、親が誘導するのではなく、子どもの自発性に注目してあげてください。

 たとえばよくあるのが、「子どもが好きそうだから」「興味を持ってほしいから」という思いから、親が科学館や博物館に誘って、子どもも反対しないケース。

 そこで、子どもが目を輝かせて喜んでいればいいのですが、「親に言われたから仕方なくつき合っている」ケースも目立ちます。

 すると親御さんから私へ、「博物館や科学館に連れていっても興味関心を示してくれません。それでもめげずにいろんなきっかけを与えたほうがいいのでしょうか?」「せっかく連れていってあげたのに期待通りの反応をしてくれません」といった相談が寄せられるのです。

親が好きなことを楽しめば、子どもが伸び始める

 親が「せっかくあなたのために連れてきたのに」と言いたくなる様子なら、無理に連れて行かないほうがいいでしょう。

 その代わり、親が行きたいところに連れて行って、親が楽しんでいる姿を見せればいいのです。

 すると子どもも、自分が興味関心のあることを楽しみたいと思うようになり、自発的に「○○を見に行きたい」「○○で遊びたい」と言うようになります。

 そこまではっきり希望を言わない子でも、散歩の途中で虫の声が聞こえてきて子どもが探しはじめたら一緒に探すなど、よく観察していると、子どもがやりたいことや好奇心をくすぐるものは意外と身近にあります。一緒にテレビを見ていて、興味を示したことから入っていってもいいのです。

 他人の子どもだったら、望んでもいないことを無理矢理やらせたりしないですよね。

*本記事は『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』から、抜粋・構成したものです(次回へ続く)。