コツコツと業績を伸ばしてきた経営者が直面する「売上の壁」
特に、年間の売上高が2億円から3億円のレベルに達すると、そこでピタッと成長が止まってしまう経営者が多いという。
そんなときに参考になるのが、【発売から18年、2万人以上の経営者に支持されるバイブル】として、待望の新装版が発売された『新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法』だ。
本稿では、上場経験のある経営者から熱烈な推薦を受けている本書の中から、「なぜ、経営者は伸び悩んでしまうのか」を一部抜粋して紹介する。

「いい人材がどこにもいない」と感じる人が見落としている致命的な本質(後編)Photo: Adobe Stock

まず「社長の右腕」幻想から抜け出す

 個人に依存する2億円のビジネスモデルは、経営者が自在にコントロールできない不安要因が多くなります。
 同時にスピードも速くはない。私が提唱するビジネスモデルは2~3年で10億円規模へ、というものですが、個人が持つ力量の高さを前提としたモデルでは、採用ひとつとってもやはり不安定。先を計算することができません。
 幸運が続くのであれば、「結果として3年で10億円」も可能でしょうが、決してお勧めできるものではないのです。

「社長の右腕幻想」から脱却できない限り10億円企業にはなれない、と考えてください。大事なのはすべての土台となっている事実です。
 それほど即戦力の人間はウチには(少なくとも今は)入って来ない、という事実に納得できれば、迷うことがなくなります。偶発的で不安定な「社長の右腕幻想」に振り回されなくなるのです。
 今の時点で集まってくれる人材が育つためにはどうすべきか、あるいは各々が力を発揮しやすい仕組みをどのようにしてつくればいいのか、と考えるようになります。

設計図は、「右腕はいない」から考え始める

 現実としては能力の高い人間、低い人間を混合した組織を率いて、顧客を獲得し、業務を回転させ、そしてお客様から対価と満足をいただき……と経営のサイクルを動かしていく必要があります。
 このような10億円企業の仕組み、設計構造が理解できていれば、社長1人で十分。社長の右腕なしでも成長していけるのです。
 そうなった後は簡単、速いです。自分が営業に出ない、加えて人材は自分の平均すれば30%レベルが集まってくれればOKだと腹の底で決めたら、後はどうすればいいのか……を自分でも驚くくらい必死になって考え始めます。もちろんどうすればいいのか、についてはもう先人の教えがあるのですから、それほど悩む必要もなかったりするのです。必勝の方程式は目の前にあるのですから。

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 ここに紹介したことのほか、『新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法』では、経営者が企業の成長のために考えるべき「設計図」とは何かをコンパクトに紹介しています。