誰もが学生時代に英単語をたくさん暗記した経験があるだろう。しかし「たくさん覚えても、全く話せるようにならなかった」と答える人が大多数だ。そんな英語学習者から「最短で英語の表現力をつけるならこれ」「会話で使える用例が半端なく多い」と絶賛の声を集める本がある。『話す力が身につく5分間英単語』だ。1トピック5分の英単語トレーニングで、実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
「非難する、批判する」を意味する4つの動詞
「~を非難・批判する」という動詞をセットで押さえよう。
(1) blame
主に「(何か悪いことの原因が)~にある、~のせいだ」というニュアンスで使われる語。
(2) criticize
「~を批判する」という意味で幅広く使われる語。
軽く批判する場合にも、強く非難する場合にも用いる。
(3) condemn
criticizeよりも強く非難するニュアンスがある。
主に道徳的・道義的に正しくないことを非難する場合に使われる。
(4) denounce
フォーマルな語で、「(主に公の場で)~を非難する」という意味を表す。
これらの動詞は、blame/criticize/condemn/denounce A for B(BのことでAを非難する)という形で使うことができる。
(1) blame
Don’t blame me. It’s not my fault.
僕を責めないでよ。僕のせいじゃないでしょ
They blamed me for the accident.
彼らはその事故のことで(お前のせいだと)私を責めた
The government is widely blamed for the poor economy.
多くの人は景気が悪いのは政府のせいだと考えている
◆ blameはwidely(広く、多くの人によって)と結びつくことが多い
He often blames others for his own failures.
彼はよく、自分の失敗のことで(お前のせいだと)他人を責める
He often blames his own failures on others.
彼はよく、自分の失敗を他人のせいにする
◆ 〈blame A(=相手) for B(=事柄)〉と〈blame B(=事柄)on A(=相手)〉を区別しよう。後者は「BをAのせいにする、Bの原因をAとする」。前者と意味に大差はないが(前者の方が相手を責める感じがやや強い)、AとBの位置が逆になる点に注意すること。onは「~の上に」という意味の前置詞で、直訳すると「自分の失敗を他人の上にのせる」。そこから「失敗を他人のせいにする」という意味になると考えておこう
Several of her bras were missing and she blamed it on me.
彼女のブラがいくつかなくなっており、それを僕のせいにした
He is to blame for the mistake.
そのミスは彼の責任だ
◆ 〈S is to blame (for ~)〉は「(~は)Sのせいだ」という決まり文句
(2) criticize
All she does is criticize and put others down.
彼女がすることは、批判や他人をこき下ろすことばかりだ
His boss sharply criticized him for his comments.
上司は彼の発言のことで彼を厳しく批判した
He was criticized for not wearing a face mask.
彼はマスクをしていなかったことで批判された
(3) condemn
People condemned him for his racist comments.
人々は人種差別的発言で彼を非難した
World leaders condemned the bombing as a crime against humanity.
世界の首脳は、その爆撃を人道に対する罪だと非難した
◆ as ~と結びつくことで「Aを~だと非難する」という意味を表せる
(4) denounce
The demonstrators denounced him as a traitor.
デモ隊は彼を裏切り者として非難した
He denounced the president’s handling of the pandemic.
彼は大統領の感染拡大への対処を非難した
□ humanity(名)人類、人道
□ traitor(名)裏切り者
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)