また、足の裏が触れる底面のグリップ(滑り止め)が利かないサンダルは、足裏の靴ずれになりやすい。とくに、底面がナイロン素材のサンダルは、つるつると滑りやすく、その摩擦が靴ずれを招くという。
「足裏の靴ずれを防ぐサンダルは、底面の素材にスエードなどの起毛革や、マイクロファイバーなどの“滑り止め”がついていて、足の裏が動かない仕様になっています。素材や形状でサンダルを選ぶだけでも、靴ずれのリスクは格段に下がります」
樹脂製サンダルや便所サンダルなど
靴ずれを起こしやすいサンダル3選
前述のもの以外にも、靴ずれや足のトラブルを招くサンダルは多数存在する。それらのなかには、多くの人が愛用しているサンダルも含まれているという。
「『クロックス』のような樹脂製のサンダルは、立ったままの状態の人が履くのに適したサンダルで、そもそも“歩く”という動作を想定して設計されていません。そのため、医療現場で長時間立ちっぱなしで手術をするという状況にはマッチしていますが、歩行時は足にサンダルが食いついてこないので、摩擦が生じて靴ずれしやすいのです」
そのほか、身近なサンダルとして長年使われている便所サンダル、通称「ベンサン」を履く際にも注意が必要、とこまつ氏。
「実は、一昨年あたりから、ファッションアイテムとして『ベンサン』が人気を博しています。ただ、ベンサンは、重い・曲がらない・歩くための履物ではない、という、悪い意味での三拍子がそろっているサンダルです。ベンサンには、濡れた床でも非常に滑りにくいというメリットがある一方で、長い距離を歩くのには不向き。ベンサンでの移動は短距離にとどめましょう」
三つ目は「エア(クッション)」をうたっている機能性サンダル。
「NIKEのエアサンダルは、かかとにあるエアユニットを固定させるために、周りのパーツがしっかり作られているので、歩いてもぐらつきません。足が安定しているということは、靴ずれもしにくく、足への衝撃も効果的に吸収してくれるのです。しかし、それ以外のメーカーは、エア機能にコストをかけるために、ほかの部分で手を抜いている可能性があり、靴ずれに苦しめられるリスクが高いです。また、ヘリウムガスを入れる部分が『袋』ではなく『プラスチックパーツ』になっているサンダルの場合は、靴ずれだけではなく、足の裏も痛める原因にもなります」